【コラム】沈みゆく日産、グローバル化の終焉映す-フィックリング
記事を要約すると以下のとおり。
振り返れば、グローバリゼーションのピークは2018年1月24日だったのかもしれない。日産の社内では数週間もたたないうちにゴーン氏の逮捕につながる内部調査が開始され、19年には日本からの劇的な逃亡劇が展開された。同時に車両生産工場について27年度までに現在の17から10に削減すると確約した。日産のPBR(株価純資産倍率)は約0.25倍で推移しており、社債も主要格付け3社全てからジャンク級と評価されている。 ホンダとの共同持ち株会社設立交渉が頓挫したことなどを受けて辞任した内田誠氏の後任として最高経営責任者(CEO)に就任したイバン・エスピノーサ氏は、わずか数カ月で再建計画を打ち出した。 この問題を解決する機会は、内燃エンジンの黎明(れいめい)期以来、世界の自動車業界が最も劇的な変革を遂げていた過去7年間にあった。 その結果、日産の事業は過去からいまだに前進できていない。中国市場での販売は19年以降でおよそ半減している。 米自動車メーカーは、過去10年の混乱を自国市場への撤退で乗り切ったが、日産にそれは通用しない。売上高の半分以上は北米で、国内工場で生産された車両の約30%が同市場に輸出されている。ゴーン氏自身もダボスで毎年開催されるダボス会議に集まる億万長者「ダボスマン」の体現者とされていた。 競合企業にとっても、沈みゆく日産の姿を喜ぶ余裕はない。この猛攻を食い止める最良の方法は国境を越えて協力することだったが、グローバリゼーションによる成功の象徴だった日産の失墜は、その未来への希望を完全に消し去った。(デービッド・フィックリング氏は気候変動とエネルギーを担当するブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 【コラム】沈みゆく日産、グローバル化の終焉映す-フィックリング