17日の日本市場では円相場が対ドルで下落している。トランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を解任する可能性を否定したことでドルが買い戻されている。
関連記事:
トランプ氏、FRB議長解任「可能性低い」-不正行為あれば別と含みも
トランプ米大統領
Source: Consolidated News Photos 1ドル=148円台半ばまで円は値下がりしている。FRB議長の解任が近いといった報道を受けて未明に146円台まで円が買われた後、トランプ氏が可能性は非常に低いと述べた。20日投開票の参議選で与党が過半数を割り込むことによる財政悪化懸念も加わり、円が下げている。円安で株式が小幅高、債券相場は長期債が上昇。
パウエル氏解任については4月に浮上、トランプ氏自身が
否定しながらも利下げを見送った5月には「
遅すぎる」などと批判していた。トランプ関税によるインフレ懸念から米当局は7月も利下げしない見通しだ。パウエル氏の任期を来年5月に控えて解任を巡る火種はすくぶっており、為替を中心する金融市場にも影響を与えそうだ。
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジスト、三原正義マーケットアナリストは17日付リポートで、今回パウエルの解任が再び議論されたとみられることはトランプ氏が解任を諦めていないことを改めて示したと解釈できようと指摘した。トランプ氏の利下げ要求が収まることは考えにくく、当面は強い米インフレ指標でもドルを買いにくくなるとみられるとした。
国内為替・株式・債券相場の動き-午後1時51分現在
円は対ドルでニューヨーク終値比0.4%安の148円47銭
東証株価指数(TOPIX)は前日比0.4%高の2831.78
日経平均株価は0.1%高の3万9710円25銭
長期国債先物9月物は前日比横ばいの137円97銭
新発10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)低い1.56%
為替
東京外国為替市場で円相場は1ドル=148円台半ばに下落。FRB議長解任を巡る報道を受けて対ドルで上昇した反動が出ている。20日投開票の参議院選挙で与党が過半数を確保できないとの観測も円売りにつながっている。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、17日発表の米小売売上高が予想通り強い内容となれば149円を再び試しそうだと指摘。ただ、パウエル議長解任の臆測や米物価指標がそれほど強くなかったことがドルの上値を抑えそうで、149円でドル高・円安は止まるとみている。
東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、ドル・円はトランプ氏によるパウエル氏解任の否定発言もあって戻していると説明。参院選については「与党が予想以上に負けると日本国債の格下げの話が蒸し返され、円売りの材料とされる可能性がある」と指摘した。
関連記事:
日本国債の格下げリスク巡る議論が活発化 選挙控え財政悪化懸念
株式
東京株式相場は小幅高。円安進行を受けて輸出関連を中心に買いが優勢だ。
トランプ米大統領が日本に課す上乗せ関税率は書簡通り25%になるとの認識を示し、投資家心理の重しになっている。パウエル氏解任を巡る観測で為替がドル安・円高に振れたことで、朝方は電機や機械、自動車などの輸出関連株に売りが先行していた。
SMBC日興証券の笹尾飛鳥アナリストが投資評価と目標株価を上げた三井E&Sが急騰している。一方でカナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールが買収提案を撤回すると発表したセブン&アイ・ホールディングスは急落している。
債券
債券相場は長期債が上昇。この日の流動性供給入札が順調に消化されたことを受けて買いが優勢になっている。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、流動性供給入札は市場が事前に見ていたレートより良かったと指摘する。小さいほど入札の好調を示すテールがゼロとなる「一本値で決まっており、ある特定の市場参加者が大口の買いを入れた可能性がある」と述べた。同時に参院選後の不透明感もあるため楽観はできないとしている。
野村証券の松沢中チーフ・ストラテジストは、海外勢から債券需給や政局について多く問い合わせがあるが、ほぼ全てが買い目線で押し目買いの機会を見計らっているように見えると指摘。参院選での与党大敗を材料に「日本売り」を仕掛けようとする海外勢は少ないとし、「与党過半数割れが政権交代、連立政権の作り直し、消費税減税へとつながるには、幾つかの相応に高い政治的ハードルが存在することが浸透しつつあるようにも思える」とした。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。






