29日の日本市場では日経平均株価が大幅に反発し、初めて終値で5万1000円台に乗せた。米ハイテク大手の動向や国内の好決算を受けて人工知能(AI)への期待が高まり、日米両政府が公表した対米投資に関心を示す企業一覧も材料視された。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは「
アドバンテストの好決算や米ハイテク株の上昇を背景に、値がさ株が買われて指数を押し上げている」と述べた。
28日に2026年3月期の業績予想を上方修正し、最大1500億円の自社株買いも発表したアドバンテスト株は22%高と制限値幅の上限まで買われ、上場来高値を更新。AI関連は米半導体大手
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が一連の新たな提携を発表し、バブル懸念を否定したことも追い風となった。
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債券は下落(金利は上昇)。ベッセント米財務長官がX(旧ツイッター)への投稿で、日本銀行にインフレ抑制に取り組むための裁量の余地を与えるよう日本政府に呼び掛けたことを受けた。投稿に反応して円は対ドルで一時買われたが、株高を背景としたリスク選好などから152円台半ばまで下落した。
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国内株式・債券・為替相場の動き-午後3時31分時点
日経平均株価の終値は前日比2.2%高の5万1307円65銭一時5万1412円97銭まで上昇
東証株価指数(TOPIX)は0.2%安の3278.24
長期国債先物12月物の終値は前日比9銭安の136円13銭
新発10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)高い1.65%
円は対ドルでニューヨーク終値比0.1%安の152円27銭朝方に一時151円54銭に上昇した後、152円54銭まで下落
株式
株式は日経平均が大幅高。アドバンテストや
東京エレクトロン、
ソフトバンクグループなど指数への影響が大きいAI関連株が買われた。ブルームバーグの試算によると、アドバンテストの日経平均への上昇寄与度は約1080円と、指数の上げ幅(1088円)に匹敵した。
対米投資への期待も高まった。日米両政府が公表した関心を示す企業の一覧で、エネルギーやAIインフラの強化などで名を連ねた
日立製作所や
フジクラ、
三菱電機などが軒並み上昇した。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジストは、きょうは米国投資が大きなテーマとなっており、投資プロジェクト関連、特にAI関連の電力供給に関わる企業が好調だと指摘。日本株市場の主導役として「高市トレード」に取って代わったようだとの見方を示した。
一方、大和アセットマネジメントの建部和礼チーフストラテジストは、対米投資は条件反射的にポジティブ視される可能性はあるが、そもそも実行するのかどうかや投資の中身など不透明感があり、進展を見極めるのが基本的な市場のスタンスだろうと述べた。
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TOPIXは続落した。構成銘柄の約87%が下げ、しんきんアセットの藤原氏は「指数の水準感やバリュエーションの高さが意識され、全体としては利益確定売りが優勢」と話した。
債券
債券相場は下落。ベッセント米財務長官のX投稿を受けて売りが優勢だった。
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、ベッセント氏が円安を気にしているもようで、日銀の金融政策決定会合に対する警戒から債券は売られたと指摘。「株価がこれだけ上昇しており、利上げは時間の問題だ。日銀が何もしないとさらに円安が進む可能性があり、円安を止める必要がある」と述べた。
日銀は29、30日に金融政策決定会合を開く。金融政策は現状維持が見込まれており、新たな経済・物価見通しと植田和男総裁の会見から早期利上げの距離感や新政権との間合いを探ることになる。
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債
5年債
10年債
20年債
30年債
40年債
0.940%
1.230%
1.650%
2.575%
3.045%
不成立
前日比
+0.5bp
+1.5bp
+1.0bp
変わらず
-1.5bp
-
為替
円相場は対ドルで一時152円台半ばまで下落。株高を背景としたリスク選好や日銀の早期利上げに対する懐疑的な見方から売りが優勢となった。朝方はベッセント米財務長官がインフレ抑制で日銀に裁量余地を与えるよう日本政府に呼び掛けたことに反応し、151円台半ばまで上昇する場面があった。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、ベッセント氏の投稿を受けても、先々も含めた市場の日銀利上げの織り込みに変化はなく、円買い一巡後は円を売り戻す動きになっていると説明。「米政府が言ったから日銀が利上げに動くとみている人はほとんどいないということだ」と述べた。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、きのうの米財務省の声明に続くベッセント氏の呼び掛けで「円安是正の意図が感じられるため、円安の仕掛けはやりづらくなってくる」と話した。
一方、金利スワップ市場で30日に日銀が利上げを決める確率は10%程度にとどまる。外為どっとコム総研の神田氏は、日銀の植田総裁のこれまでの慎重な言い回しに鑑みれば、今回の会合で2カ月先の利上げに前向きな姿勢を示す可能性も低いと指摘。米国の利下げも織り込み済みで、日米の金融政策を消化した後は円売りの「高市トレード」が再燃しやすくなるとの見方を示した。
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