カナダのカーニー首相は27日、アルバータ州のスミス首相と覚書を締結し、包括的エネルギー計画を発表した。石油パイプラインの新設や二酸化炭素回収・貯留(CCS)の大規模プロジェクト、データセンター向け原子力発電所建設へ道を開く内容だ。
首相府は発表文で、この計画の目的はカナダ経済の米国依存を軽減することであり、「アルバータ州のエネルギー資源の潜在可能性を最大限に引き出す」とともに、カナダ国民のために多数の高給職を創出するものだと説明した。
カーニー氏はカルガリーでのビジネス関係者向けの講演で、これまで強みとされてきた米国との強い相互依存関係がいまや弱点になっていると指摘した。カナダは昨年のエネルギー輸出の95%強が米国向けだった。
カーニー氏は「これは移行ではなく断絶だ。従って、われわれの経済戦略は劇的かつ迅速に変わらなければならない」とし、「懐古は戦略ではない。米国は変わった。それは米国の権利だ。われわれ対応しなければならない。それがわれわれの責務だ」と語った。
発表文によると、連邦政府は先住民共同所有パイプラインの新設を支援し、アジア向け輸出強化を目指すとしている。
覚書に署名したカーニー加首相(右)とアルバータ州のスミス首相(11月27日)
写真家:ジェフ・マッキントッシュ/カナダプレス/AP 計画には、連邦環境規制の一部停止・撤廃と引き換えに、より高い産業向け炭素価格の導入や、116億カナダドル(約1兆2900億円)規模の油砂CCS「パスウェイズ」プロジェクトの建設スケジュールが盛り込まれた。また、石油・ガス部門の排出上限については導入しないとした。
さらに、アルバータ州の原子力発電・データセンター戦略の推進を約束し、カナダ西部の州間送電網を大幅に拡充する計画だ。
ただ、今回の計画は連邦政府とアルバータ州の関係を大きく改善させる一方、生態的に脆弱(ぜいじゃく)な北岸地域に新規パイプラインが敷設される可能性があるとして、ブリティッシュコロンビア州のイービー首相や先住民団体の反発を招く恐れがある。
原題:
Carney Unveils Alberta Plan for Oil Pipeline and Carbon Capture(抜粋)






