シンガポール政府は今年の成長率見通しを引き上げた。新たな米関税発動を見越した企業の輸出前倒しや、貿易を巡る懸念の後退などを背景に今年1-6月(上期)の経済成長が予想を上回ったためだ。
貿易産業省は12日の発表文で、2025年の国内総生産(GDP)成長率見通しを1.5-2.5%と、5月時点の0-2%から引き上げた。
同省のベー事務次官は記者団に対し、「米中間の協議や、一部で合意が成立したことにより、貿易摩擦は緩和している」と述べた。ただ、7-12月(下期)の経済見通しには依然として不透明感が強く、今年、テクニカルなリセッション(景気後退)に陥るかどうか予測するのは時期尚早だと指摘した。
12日午前の外国為替市場でシンガポール・ドルは対米ドルで0.1%上昇。主要株価指数であるストレーツ・タイムズ(ST)指数は0.3%下落した。
4-6月(第2四半期)GDPは前年同期比4.4%増と、速報値の4.3%増から上方改定された。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は4.4%増。季節調整済みの前期比では1.4%増と速報値から変わらず、テクニカルなリセッション入りを回避した。
貿易産業省は、下期の経済成長は上期から減速する見込みであり、必要に応じて成長率見通しを再調整するとした。また、米関税が他の市場の需要を冷やすことで、製造業の伸びは鈍化する可能性が高いと分析した。
原題:
Singapore Raises 2025 Growth Outlook, Warns of Risks Ahead (2)(抜粋)







