セブン&アイ・ホールディングスは6日、都内で記者会見を開き、5月27日付で退任する井阪隆一社長と後任のスティーブン・デイカス氏が新体制の意図や株主価値向上に向けた変革施策を説明した。井阪氏は社長交代の理由について「今までとは異なる施策も必要となるフェーズに入った」とした上で、デイカス氏への期待も述べた。
同社はカナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・
クシュタールから1株18.19ドル(約2700円)で買収提案を受けている。単独で事業戦略を貫くには、早急に株価を引き上げて株主を納得させる必要がある。
一問一答は以下の通り。
-クシュタールの買収受け入れか単独路線か決まる前に辞めるのは敵前逃亡ではないか。
井阪氏:これから本当にグローバルに成長していく時に、自分の持つ知見以上に素晴らしい知識と見識を持っている後継者がいるのであれば、そのチャンスを逃してはいけない。そういう意味でも、新しいフェーズにわれわれの会社が入ったことを社内外に伝えるためには、トップ交代が非常にインパクトがあり、分かりやすいと考えた。
井阪社長(左)と次期社長のデイカス氏(6日・都内)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg-次期社長としてのモチベーションは。
デイカス氏:子供時代にセブン-イレブンで深夜シフトを含めて働いていた経験がある。父が加盟店オーナーで、セブン-イレブンというのは自分の人生の中で重要な位置を占めていた。井阪氏やチームが構築した土台を次のレベルに持ち上げる素晴らしいタイミングであり、社長任命の申し出を断ることはとてもできなかった。取締役や加盟店オーナーなどと連携して、より良い会社にしていきたい。
-クシュタールの買収提案はセブンの企業価値を高めると考えているか。
デイカス氏:私にも分からない。現在クシュタールとは建設的、定期的な話し合いを進めている。ただ特に米国での(競争法に関する)規制のハードルは高い。実はクシュタールとは今日も話し合いを持った。(規制当局による買収審査に)2年以上もかかり、塩漬けになるようなことは、一番株主価値にそぐわないことになると思う。
-人事案に対する決議は満場一致だったのか。在任終盤に株価が低迷した理由をどう分析するか。
井阪氏:票数については控えるが、圧倒的多数で承認された。われわれとして決して満足できる株価ではなかったが、国内の事業構造変革はある程度めどがつき、海外のコンビニエンスストア事業でもライセンスモデルから(すでにサプライチェーンを持つ企業に出資する)エクイティーモデルにかじを切った。成長できる素地は作れたかなと思っている。
-社長交代は、株価低迷などの責任をとる引責の意味があるのではないか。
井阪氏:そういうことは全くない。国内の事業構造改革が一定程度めどがつき、グローバルなコンビニエンスストアのチャンピオンとして成長していくんだという新しいフェーズに入った。スティーブは本当に勤勉で献身的で、勉強をすごくしていて、国内マーケットについても熟知しており、海外でも相当な仕事をやってきている。能力を生かして海外やセブン-イレブンを成長させ、株主にしっかり還元させてほしい。
-米バリューアクト・キャピタルなど、物言う株主(アクティビスト)との対立などで本業に専念できなかったのではないか。
井阪氏:対立というか、外部の声を聞いて勉強したところも随分あったと思う。ただあの方たちが言うとおりにやっていたら大変なことになったと思う。自分たちが置かれている環境などを考えながら、どういう形で構造改革を実現するのか、実務的にやっていかなければ、実現できなかっただろうと思う。
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