ボーナスシーズンまであと数カ月と迫る中、全般的に好調なウォール街で総報酬額が今年減るとみられる職種の一つが、社債トレーダーだ。
幹部人材の紹介会社オプションズ・グループの調査によれば、クレジットに関連したセールスやトレーディング、調査に携わる米国のスタッフは、2025年の総報酬額が平均で前年比6%減少する見込みだ。
トランプ米政権による貿易戦争が始まった当初に相場が大きく崩れ、多くのトレーダーが想定外の打撃を被ったことが背景にある。
オプションズ・グループの共同創業者であるマイケル・カープ最高経営責任者(CEO)は「関税措置に伴う売りで市場が大きく混乱し、非常に大きな打撃が見られた」と指摘。「その後の相場回復でも状況は変わらなかった」と述べた。
投資適格級債を扱う米国のトレーダーは総報酬額が6.6%減少する見通しで、ハイイールド市場の報酬は8.6%減る見込みだという。予測は2025年に支払われる給与と、26年の早い時期に通常支給される今年度の業績連動型ボーナスを反映している。
一方、債券の引き受け業務に携わるバンカーにとっては、極めて良い年となった。
ブルームバーグの集計データによると、米国では今年これまでに、投資適格級社債の発行が1兆7300億ドル(約270兆円)余りと、前年同期を10%ほど上回っている。
人工知能(AI)ブームを背景に、過去数カ月で数百億ドル規模の社債発行があった。メタ・プラットフォームズは10月に300億ドルもの大型起債を明らかにし、米国の高格付け社債市場で過去最大となる注文を受けた。
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ウォール街ではほぼ全ての資産クラスで、米国バンカーの報酬引き上げが見込まれており、全体では6.7%増の予想。投資銀行業務とプライム・ファイナンス、株式デリバティブでは2桁の伸びとなる見通しだ。
米国外のクレジット分野では、日本市場を除く全ての地域で報酬増が見込まれる。
大規模関税の影響
トランプ政権2期目が発足した今年、ウォール街では減税と規制緩和が相場を押し上げるとの期待が高かった。しかし、トランプ大統領が貿易相手国・地域に課した大規模関税が、一部トレーダーの業績連動型ボーナスに影響を与えた可能性がある。
オプションズ・グループによれば、米国のコモディティー(商品)トレーダーも平均で1.4%の報酬減が予想されている。
金利商品を扱う米国のセールス、トレーディング、調査担当者は7%の報酬増加が見込める。米国で為替に関わるスタッフの報酬は約2.6%増になるという。
証券化商品の担当者は11.2%増と、大幅な伸びが期待できるとしているが、この分野ではサブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスの破綻など、市場の健全性を巡る懸念も浮上している。
報酬コンサルティング会社ジョンソン・アソシエーツの創業者でマネジングディレクターのアラン・ジョンソン氏は、「一部の企業はわれわれが適切と考える以上にリスクの高い領域に踏み込んでしまっている」と指摘。「ただ、これらの商品はこれまでのところ投資家に対して良好な成果を上げている」と述べた。
ウォール街の報酬専門家は、市場の混乱が2026年には落ち着くとみており、それによって一部の債券でパフォーマンスが改善し、報酬も増加し得ると見込む。
ジョンソン氏はクレジットや住宅ローン関連、米国債など「ボラティリティーの低い商品などが勝者となる」と予想した。
原題:
Lower Bonuses Await US Corporate Debt Traders: Credit Weekly(抜粋)





