マツダは5日、米国関税の影響で今期(2026年3月期)は約2300億円のマイナス要因があるもののコスト削減などに取り組み、市場予想に反して通期では営業黒字を見込むと明らかにした。決算発表後、同社の株価は上げ幅を拡大した。
発表によると、マツダは今期営業利益について前期比73%減の500億円を見込む。市場予想は509億円の営業赤字だった。同社は期初時点では米トランプ政権の関税政策など事業環境が不透明なことから通期業績予想を未定としていた。仕向け地変更などの関税対応策に加えコスト削減を行うことで追加関税影響の6割以上を相殺するという。
発表後、マツダの株価は上げ幅を拡大し、一時前日比8.1%高の993円と7月23日以来の日中上昇率を付けた。
日米政府の合意で日本からの輸入車に対する米国関税は15%と従来から大きく引き下げられる見通しとなり、米国で事業展開する日系各社にとって最悪の事態は避けられた格好だ。ただ依然として業績への影響は大きく、値上げや原価低減などの取り組みを通じて今後どこまで緩和できるかが焦点となる。
マツダの毛籠勝弘社長は同日の記者会見で、不確実性が依然と高い中で通期の営業黒字見通しを示すことでマツダと取引先全体が一丸となって「目標達成にさらなる努力を傾注していけるよう取り組みたいとの経営の意思を込めた」と述べた。
目標達成に向け「あらゆる手段」を講じていくとし、その一環として「国内生産70万台を基準」として、サプライチェーンの維持のために取引先と連携しながら「損益分岐点を引き下げる努力、安定的な生産・販売の確保に注力をしていく」と続けた。
マツダの発表によると、米国での販売減を他市場で補うことで通期の世界販売台数は前期比ほぼ横ばいの130万台を見込んでいる。
ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストは、販売台数や800億円のコスト削減といった計画の実現性には疑問が残るとの見方を示した。台数を維持しつつ、価格・構成を改善するのは他社との競争もある中で「難題だ。これまで難しかったことが急にできるはずはない」と述べた。
日系各社はこれまで関税を受けた値上げについては慎重姿勢を示しており、主要各社で大幅な値上げに踏み切ったのは
SUBARU(スバル)のみだ。マツダもこれまでは値上げはせずに、車種ごとに濃淡はあるもののインセンティブ(販売奨励金)を大幅に抑制する取り組みを行ってきたと毛籠社長は述べた。
毛籠社長は、今後についてはモデルイヤーの切り替え時期に値上げやインセンティブの調整を競合他社の動向も踏まえながら行っていく考えを示した。現時点ではどの車種でどの程度の値上げを行っていくかは決まっていないという。
関連記事
車関税引き下げで「最悪の状況」回避、企業業績への影響が焦点に
トヨタなどに迫る値上げ決断の時、関税交渉前進の糸口になる可能性も
(会見内容を追加して更新します)
[/MARKOVE]





