中東緊迫でもディフェンシブな動きは限定的、不意を突かれるリスクも

米国株の投資家は地政学的緊張の高まりの中でも安全を求めるのをためらっている。
　しかし、先週以降の出来事は、事態が流動的な中で、荒い動きをしている状況であるにもかかわらずだ。
「戦況がさらに悪化する可能性もあれば、そうならない可能性もある。」
ゴールドマンのペアトレード・バスケット出所：ブルームバーグ　　景気敏感株のロングとディフェンシブ株のショートを組み合わせた、ゴールドマン・サックス・グループのペアトレード・バスケットは、イスラエルが先週にイランの核施設と軍事施設に対する空爆を開始して以来、わずかに上昇している。
トランプ大統領はイランを攻撃するかどうか2週間で決定へ－ホワイトハウス　　地政学的な混乱を背景にしたディフェンシブ株買いに対し、慎重になる根拠を指摘する声もある。
過去11回の主要事象では、Ｓ＆Ｐ500種は発生から1週間で平均0.3％下落したものの、12カ月後には平均7.7％上昇している。
攻撃の当日でさえも、ボラティリティーの急上昇はほとんどなく、エクスポージャーの調整にとどまり、市場から撤退することはなかった。
原油供給が不安定な時期にディフェンシブな動きを示す傾向のあるエネルギー株に資金が集まっている。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートは、関税を巡る不確実性が年末まで続く可能性を受け、ディフェンシブ株の比率を拡大するよう推奨している。
人工知能（ＡＩ）のインフラ整備から恩恵を受けるとの見通しも示した。
Ｓ＆Ｐ500種全体は22倍となっている。