7月の米生産者物価指数(PPI)は3年ぶりの大幅上昇となった。関税に関連する輸入コストの上昇を企業が価格に転嫁しつつあることを示唆している。
キーポイント
PPI(最終需要向け財・サービス)は前月比0.9%上昇
エコノミスト予想の中央値は0.2%上昇
6月は前月比横ばい
前年同月比では3.3%上昇
市場予想は2.5%上昇
前月は2.3%上昇
サービス部門のコストは1.1%上昇と、2022年3月以来の大幅上昇を記録した。サービス部門内では、卸売業者と小売業者の利益率が2%上昇。特に機械・機器の卸売業がけん引した。食品とエネルギーを除く財価格は0.4%上昇した。
ネーションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏はリポートで、「これまで企業は関税コストの大部分を負担してきたが、輸入品のコスト上昇により利益率がますます圧迫されている」と指摘。「今後数カ月に関税の消費者価格への転嫁が一段と強まる見込みで、2025年下期にはインフレ率が緩やかに上昇する可能性がある」と述べた。
PPI統計は、上半期に需要が鈍化したにもかかわらず、高まる関税関連コストを相殺するため、企業が財・サービス価格の調整を進めていることを示している。PPIを受け、米国株は下げて始まったが、下げ渋っている。国債利回りは上昇。円は対ドルで上げを消した。
企業が関税の負担をどの程度、消費者に転嫁するかが、政策金利の先行きを左右する鍵となりそうだ。連邦準備制度理事会(FRB)当局者はおおむね、輸入関税が今年後半にインフレを押し上げると予想しているが、これが一時的な調整か、より持続的な影響になるかについては意見が分かれている。
12日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)は物価への転嫁が緩やかだったことを示した。労働市場が現在、減速傾向に転じていることも踏まえ、連邦公開市場委員会(FOMC)は来月の会合で利下げに踏み切るとの見方が広がっている。ただ、今回のPPI統計を受けて、一部の政策当局者は物価上昇圧力の再燃リスクを警戒する可能性がある。
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出所:ブルームバーグ ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏はリポートで「金融政策当局者がなお解決すべき課題は、これらの価格上昇のうち、卸売業者、小売業者、再販業者がどれだけ吸収するかという点だ」と指摘した。「今回のPPIは、政策変更について様子見の姿勢を貫くFOMCの判断が正しいことを強く裏付けるものだ」と続けた。
エコノミストがPPIを注視するのは、カテゴリーの一部がFRBが重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の算出に使用されるためだ。こうしたPCEに関連する項目の中で医療関連は低調だったものの、航空旅客サービスとポートフォリオ運用のコストは急上昇した。後者は、株式相場の上昇により、ほぼ予想されていた。
最終製品コストの上昇の40%は、主に野菜による食品価格の上昇によるものだった。食品、エネルギー、貿易サービスを除いた変動の少ないPPI指標も、前月比で2022年以来の大幅上昇を示した。
生産過程における比較的早い段階での物価を反映する中間財の価格は0.8%上昇し、年初来で最大の上昇率を記録した。これはディーゼル燃料の価格上昇が主因。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:
US Producer Prices Rise by Most in Three Years on Services(抜粋)
(コメントなどを加え、更新します)





