農林中央金庫は19日、2025年4-9月期(上期)の連結純損益が846億円の黒字(前年同期は8939億円の赤字)に転換したと発表した。運用資産構成の見直しなどが奏功した。26年3月期(今期)の純利益見込みは300億-700億円程度を据え置いた。
発表資料によると、その他有価証券の評価損(単体)は1832億円と6月末の4274億円から減少した。このうち前年同期の赤字要因となった米国債などの債券評価損は1兆1351億円と同約1兆2180億円から減った。市場運用資産残高は43兆7000億円と6月末の40兆7000億円から拡大した。
農林中金の看板
Source: Bloomberg 農林中金は米国債などの投資に失敗し、25年3月期(前期)に約1兆8000億円と巨額の赤字に陥った。外国政府が発行する債券の割合を減らし、他の資産への投資を増やすことなどで、金利急騰時など市場急変の悪影響を抑えるとともに、収益源の多様化を進めている。
北林太郎理事長は、「昨年度実施したポートフォリオ再構築の効果に加え、黒字確保と強固な収益基盤の確立に向けた各種取り組みが着実に進展している」と説明した。
企業向け融資などを束ねて証券化したローン担保証券(CLO)への投資残高は9兆7000億円と、6月末時点の8兆5000億円から増えた。長野真樹専務は投資先CLOは高格付けの「AAA」だと説明。「裏付け資産の分析など慎重な投資判断とリスク管理を継続する」とし、基本的に残高は概ね横ばいを意識して投資すると述べた。
農林中金と三井物産が大株主のJA三井リースは、経営破綻した米自動車部品メーカーの関連債権で、上期に189億円の貸倒引当金を計上すると
発表した。長野氏は農林中金への影響について、「まだ取り込めてない部分があり、下期のいずれかのタイミングで取り込むことを想定している」と説明した。
農林中金は12月に東京証券取引所プライム市場に新規株式公開(IPO)するSBI新生銀行の株式を50億円を上限に引き受けると発表した。長野氏は「期待するシナジーは資産運用ビジネスの強化、多様な投融資ニーズへの対応、地域の農林水産業のデジタル化(DX)推進だ」とし、SBIグループのネットワークを活用し国内外で共同投資の機会を探るなどと話した。
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— 取材協力 Nao Sano
(会見の内容などを追加して更新します)




