日本銀行の野口旭審議委員は27日、今後の利上げについて、2%物価目標の実現の見通しに合わせて段階的に慎重に行う必要があるとの考えを示した。大分県金融経済懇談会で講演した。
野口委員は、「政策調整のペースはおそらく、早すぎても遅すぎても問題が生じる」と指摘。その上で、「経済と物価への影響を確認しつつ時を置いて小刻みに利上げを行っていくのが最も現実的だ」と語った。
仮に物価安定目標が2027年度までの見通し期間の後半に達成される場合、政策金利の調整も「それに向けた適切なペースで行われていくべきことになる」と説明した。
政策金利の拙速な引き上げは、その賃金上昇のモメンタムを失わせ、2%目標の達成を遠ざけてしまうリスクをはらんでいると指摘。 「政策調整は慎重に行われるべきだ」と述べた。
一方、遅すぎる場合には「経済や物価の安定が脅かされる可能性が強まる」との見方を示した。
他の発言
政策金利手段用いて緩和度合いを適宜調整していく必要
日銀の役割は適切な政策調整通じ、経済を新たな成長経路へ導くこと
インフレ期待が2%近傍でアンカーされるにはまだ時間必要
中央銀行のバランスシート規模、基本的に必要最小限が望ましい
日銀の野口旭審議委員
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg 日銀は10月の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めたが、高田創氏と田村直樹氏の2審議委員が9月に続いて利上げを提案。その後、小枝淳子氏、増一行氏の両審議委員も利上げに前向きな発言を行った。市場で12月会合での利上げ観測が再び高まる中、野口氏は利上げを慎重に進めるよう主張した。
野口氏は、金融緩和や財政出動に積極的なリフレ派として知られ、9人の政策委員の中では利上げに慎重なハト派と位置付けられる。ただ、9月の講演では、2%の物価安定目標の達成は着実に近づいているとし、利上げの必要性がこれまで以上に高まりつつあるとの見解を示していた。
Source: Bloomberg Economics; Photos: Bloomberg, Bank of Japan, Senshu University, Nomura Holdings, Inc.
関連記事
日銀12月利上げあるか植田総裁講演に注目、可能性は結構高いと門間氏
日銀総裁、見通し実現確度は高まっている-情報点検し利上げ是非判断
日銀10月会合、利上げ時期近づくとの意見が相次ぐ-来春闘の初動重視
積極財政の高市政権、経済対策20兆円超えの大型に-市場はリスク警戒
野口日銀委員、利上げの必要性「高まりつつある」-早期実施に前向き
(野口氏の発言の詳細を追加して更新しました)
[/MARKOVE]






