米金融政策は今週、重大な転機を迎える。経済のソフトランディング(軟着陸)を目指す金融当局は4年半ぶりに政策金利を引き下げると予想されている。
連邦公開市場委員会(FOMC)は17-18日に2日間の日程で開催され、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を少なくとも0.25ポイント引き下げる見通しだ。インフレは抑制されているもようで、米労働市場には弱さが見られる。米最大手銀行であるJPモルガン・チェースのエコノミストや一部のトレーダーは0.5ポイントの大幅利下げを予想している。
利下げのスタートは、長きにわたる借り入れコストの高止まりから米経済を解放する転換点となる。FOMCは今後数カ月にわたって金融緩和を進めるシグナルも発する可能性が高い。この組み合わせにより、既に進行中である世界の金融資産のリプライシングがさらに進む見込みだ。
「これは米国民と世界経済全体にとって大きなプラスだ」とムーディーズのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は指摘。経済を前進させるのに大いに役立ち、株価上昇など既に効果は表れていると語った。
Mortgage Rates Retreat From Multi-Decade Highs
Source: Mortgage Bankers Association
ただ、政策当局者および米経済の前途は依然としてかなり不透明だ。多くの投資家や一部のエコノミストは、連邦準備制度が政策転換のタイミングの見極めで長く
待ち過ぎたと懸念。その結果、労働市場と経済成長は薄氷の上を歩いている状態にあり、金融市場に不安定要素を与えたとしている。13日の米国債市場では
0.5ポイント利下げ観測が再び活気づいた。
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Source: Bloomberg 11月の米大統領選も、連邦準備制度の政策決定を難しいものにする。共和党候補のトランプ前大統領は、選挙直前に金利を引き下げるべきではないと主張。一方、民主党のウォーレン上院議員は、政策金利を0.75ポイント引き下げるよう当局に圧力をかけている。
「これは極めて重要な行動になる」とJPモルガン・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、プリヤ・ミスラ氏は話す。「ソフトランディング利下げは非常にまれだ」と指摘した。
JPモルガンは米大手銀の中で唯一、0.5ポイント利下げを予想している。他行の利下げ幅予想は0.25ポイントに落ち着いているが、JPモルガンの米チーフエコノミストであるマイケル・フェローリ氏は13日、顧客向けのリポートで0.5ポイントの利下げが「正しい」措置だとの見解をあらためて示した。
ミスラ氏も0.5ポイント利下げの方が望ましいと考えているが、政策当局者がなおインフレを懸念しているため、0.25ポイント利下げの可能性の方がやや高いだろうと述べた。0.25ポイントとなった場合、市場の反応は当局者が小幅利下げをどのように説明していくかに大きく左右されるだろうと付け加えた。
このため、米東部時間18日午後2時(日本時間19日午前3時)のFOMC決定発表後、投資家やアナリストは次の2つに注目することになる。四半期ごとの最新予測の一部として同時に発表される米金融当局者の金利予測分布図(ドット・プロット)と、午後2時30分からのパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見だ。
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ドット・プロットは、2027年までの各年の年末時点の全政策当局者の予測を示すものになる。匿名ベースだが、今から24年末までの非常に短い期間について当局が予測する内容も含まれる。政策が転換期にある際、当局者がこのような明確な情報を提供することはほとんどないが、四半期予測の公表時期と重なったためめ、当局者に選択の余地はない。
FRB調査統計局長を務め、現在はブルームバーグ・エコノミクスの米経済調査ディレクターであるデービッド・ウィルコックス氏は「年末時点のドット・プロットは今や特に興味深いものとなっている」と指摘。当局が「利下げサイクルに着手しようとしているため、当然ながら、さらに大きな関心が寄せられている」と述べた。
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ドット・プロットは、11月と12月の追加利下げを既に支持しているFOMCメンバーが何人いるか、そのうち何人が利下げ幅を0.5ポイントと予測しているかを示すことになる。エコノミストの調査によると、11月と12月の追加利下げに賛成のメンバーは過半数に達しているとみられている。0.5ポイント利下げを予測するメンバーが相当数いることが判明した場合、FOMCがより積極的な行動に傾くのはそう遠くないことを意味する。
パウエルFRB議長
Photographer: Tierney L. Cross/Bloomberg どのような数字であれ、6月時点の予測から大きな変化が示されることになる。当時、年内2回よりも多い利下げ回数を予想していた当局者はゼロだった。
トレーダーは今後の金利動向について、より積極的な引き下げ路線を描いている。7月の米雇用統計が予想を下回った8月初旬以降、24年末までに計1ポイント程度の利下げが行われると予想している。13日時点では、今週のFOMCで予想される利下げ決定を含め、12月末までに約114ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の引き下げを織り込んでいる。25年末までにはFF金利が3%を割り込むとみている。
原題:
Deciphering the Fed’s Next Move With Soft Landing at Stake(抜粋)







