欧州中央銀行(ECB)当局者らは、9月の会合で金利を据え置く方針を固めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。欧州連合(EU)と米国の間で成立した通商合意が経済に大きな影響を及ぼすことはない見込みだという。
ECBが7月に中銀預金金利を2%に据え置いて以降、経済成長やインフレの動向はおおむね6月時点のECB予測に沿ったものとなっていると、関係者が匿名を条件に述べた。
6月時点の見通しでは、インフレは2026年に一時的に鈍化し、27年には再びECBの目標である2%に達するとされていた。
関係者によれば、9月に公表される四半期経済予測もこのシナリオを裏付ける内容になるとの見込まれている。
これにより、追加利下げは不要であり将来の経済ショックに備えて政策余地を残すべきだとの一部当局者の主張の説得力が増すと共に、インフレ率が持続的に目標を下回ることへの他の当局者の懸念も和らぐ見込みだという。
ECB報道官はコメントを控えた。
この1年間で8回の0.25ポイント利下げを実施してきたECBは、7月に金利を据え置くとともに追加利下げには高いハードルがあるとの姿勢を示した。その後に発表された経済指標では、ユーロ圏経済が予想外の成長を示し、インフレ率もわずかに予想を上回った。
また、EUと米国の通商合意により、貿易を巡る見通しにも以前より明瞭さが出てきた。ただ、幾つかの論点は依然として未解決であり、トランプ米大統領は突如方針を変えることで知られていることから、政策当局者らは引き続き警戒を緩めていない。
ECBのラガルド総裁は20日「最近の貿易合意により不透明感はある程度緩和されたものの、予測困難な政策環境が続く中で、完全に払拭(ふっしょく)されたわけではない」と語った。現在の関税水準は、6月時点でECBが想定していた水準をやや上回っているものの、深刻なシナリオとして想定していた水準と比べれば「はるかに低い」という。
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こうした見方を裏付けるように、S&Pグローバルが21日に発表した企業調査は、8月の経済活動が15カ月ぶりのペースで拡大したことを示した一方で、輸出受注の弱さも示した。
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それでも、政策当局者らはいわゆる保険としての利下げで景気を下支えすることには否定的だという。経済見通しの悪化や一連の追加利下げの必要性などに対する不適切な臆測を招く恐れがあるためだと関係者は説明した。
ただ、経済に深刻な打撃が加わるか、インフレ見通しが大きく下方修正されるような事態があれば、年内にもう1回利下げを実施する可能性は残されていると関係者は述べた。
関係者らはまた、10月利下げの可能性を軽視すべきではないと警告している。四半期ごとの経済予測は政策委員会の議論において重要な材料ではあるものの、必ずしもECBが行動する前提条件ではないと指摘した。
9月の会合については、現時点でまだ何も決定されておらず、最終的な判断はその時点で利用可能な全てのデータを踏まえて行われるという。
エコノミストの間では、年内最後の利下げが12月に実施されるとの見方が依然として根強いが、市場はこの確率を50%未満しか織り込まず、追加利下げ自体が確実視されてはいない。
原題:
ECB Officials to Stick With Steady-Rates Plan After Trade Deal(抜粋)
(第4段落以下を追加します)






