ゴールドマン・サックス証券の建部和礼バイスプレジデントは、米国景気がソフトランディング(軟着陸)することを条件に日本株は年末にかけて上昇するとみている。為替の円高が進んだ中でも企業の業績見通しがなお良好なためだ。
ゴールドマン・サックス証券の建部氏
Source: Goldman Sachs Japan Co. 建部氏は「円高が続く中でリビジョンインデックスがマイナスになるのではないかとの懸念があったが、意外と業績モメンタムは強い」と話す。主要企業の決算発表で基調的な強さが確認できれば、日本株相場にとってポジティブな材料になるとみている。
同証がまとめた20日時点のリビジョンインデックス(アナリストによる業績予想修正の方向性を示す指数)は、全33業種のうち23業種がプラス圏にある。自動車などの輸出関連はマイナスだが、非鉄金属や海運、銀行で上方修正が優勢だ。第1四半期の上振れや為替の影響を除いた業績そのものへの評価が背景にあると建部氏は分析している。
米国の景気懸念が急速に高まった7月末から8月5日までの3営業日で東証株価指数(TOPIX)は20%安と、S&P500種株価指数の6%安に比べて下落率が大きかった。ゴールドマンでは急落後に2024年末のTOPIX目標値を2700に従来の2850から引き下げたが、1年後については2900のまま据え置いている。
リビジョンインデックスは依然として上方修正が優位
Source: ゴールドマン・サックス・グローバル・インベストメント・リサーチが試算
Note: 20日時点
向こう数カ月は金融当局による利下げ開始後も残る米景気懸念や、11月の米大統領選挙を巡る不確実性から、日本株は上がりづらいと建部氏はみている。「特に年末に向かっては米景気の動向が最も重要と言ってもいいかもしれない」と話す。
米国のインフレ懸念が鈍化し、金利が下がる局面では米国のグロース株などが恩恵を受けやすいため、短期的には日本以外の市場に投資家の目が向かいやすいとも同氏は述べた。
内需
建部氏が一段高に期待するのが内需関連だ。ここ2カ月ほどの内需関連株のTOPIXに対するアウトパフォームは主に円高を反映したもので、実質賃金のプラス転換による消費の回復や、消費と物価の好循環というマクロ環境の変化は織り込んでいないと分析。日本経済の本質的な変化が続くのであれば「幅広い内需型にアウトパフォームの余地はある」と言う。
同氏によれば、コーポレートガバナンス(企業統治)改革も引き続き日本株を支える要因だ。自社株買いが活発化するなど24年に入り日本企業が変わり始めたことを示す証拠が増えており、米景気の軟着陸が実現するのであれば「日本株は前向きに見て良い」と語った。
関連記事
日銀利上げで急落した日本株、長期的見通しへの投資家の期待変わらず
ゴールドマン、日本株の調整は海外勢の買い好機-長期ストーリー不変
[/MARKOVE]




