9月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回る伸びとなった。物価上昇圧力はこのところ低下傾向にあったが、今回はその動きがいったん止まった。
キーポイント
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.3%上昇-市場予想は0.2%上昇
8月は0.3%上昇
前年同月比では3.3%上昇-予想は3.2%上昇8月は3.2%上昇
総合CPIは前月比0.2%上昇-予想0.1%上昇
8月は0.2%上昇
前年同月比では2.4%上昇-予想2.3%上昇8月は2.5%上昇
ブルームバーグの算出によると、コア指数は過去3カ月の年率では3.1%上昇と、5月以来の大きな伸びとなった。
一方、総合CPIの前年比の伸びは市場予想ほどは鈍化しなかったが、なお2021年序盤以来の低い伸び。エネルギー価格の下落が主な要因だった。
9月は住宅関連と食品が前月比上昇率の75%余りを占めた。低下基調にあった財の価格も上昇した。
4日に発表された
9月雇用統計が市場予想を上回る強さを示したことと合わせ、今回のCPIは11月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利下げを巡る議論を一段と活発化させる公算が大きい。市場関係者からは小幅な利下げもしくは据え置きとの予想が聞かれる。
フィッチ・レーティングスの米経済調査担当責任者、オル・ソノラ氏は「インフレは沈静化しつつあるが、収束してはいない」と指摘。「予想外に強かった9月雇用統計に続く今回の指標を受け、米金融当局は緩和サイクルのペースについて慎重姿勢を維持するだろう。11月は依然として0.25ポイントの利下げが行われる可能性が高いが、12月については利下げを当然視すべきではない」と述べた。
主な項目
9月は食品とエネルギー商品を除く財のコア価格が前月比で上昇。同価格が上昇したのは23年6月以降ではわずか2回目。新車と中古車、衣料品や家具の値上がりが影響した。食品価格の伸びは1月以来の大きさとなった。特に卵や生鮮果物の値段が上がった。
サービス項目では自動車保険や医療費、航空運賃の上昇が目立った。スポーツイベントのチケット代は10.9%の大幅上昇。フットボールシーズンの開幕を一部反映している。
サービス分野で最大部分を占める住居費は0.2%上昇。8月の0.5%上昇からは大きく減速した。持ち家のある人がその家を賃貸する場合の想定家賃である帰属家賃(OER)は0.3%上昇で、同じく前月から鈍化した。ホテル宿泊費は低下した。
ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン、スチュアート・ポール両氏は「コアCPIは上振れたが、今回の統計はインフレが鈍化傾向にあるというFOMCの見解に変更を迫るものではない。11月6、7両日の次回会合で25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げをわれわれは見込む」と述べた。
ブルームバーグの算出によると、住宅とエネルギーを除いたサービス価格は0.4%上昇し、4月以来の大幅上昇。伸びは3カ月連続で加速し、23年序盤以来で最長となった。
米金融当局は賃金の伸びにも注目している。別の統計によれば、9月の実質平均時給は前年同月比で1.5%上昇と、23年6月以来の大幅な伸びとなった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:
US CPI Rises More Than Forecast, Stalling Inflation Progress(抜粋)
(エコノミストの見方や統計の詳細を追加して更新します)







