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目指せ「次のエヌビディア」-ソフトバンクGの社運賭けた孫氏の野望

記事を要約すると以下のとおり。

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ソフトバンクグループの創業者、孫正義氏は先週、次期米大統領のドナルド・トランプ氏と会談し、今後4年間で
1000億ドル(約15兆6500億円)という驚異的な金額を米国に投資すると約束した。ソフトバンクGはその額を2000億ドルに倍増させるのではとトランプ氏が冗談を飛ばすと、孫氏は満面の笑みで「努力します」と応じた。
  これは大げさな表現ではないかもしれない。孫氏は自身のトレードマークとも言える社運を賭けた一手をひそかに計画している。その投資額は当初の想定と同額、あるいはそれ以上になるかもしれない。
  直接的に関与している関係者によると、孫氏は過去数カ月間にわたり、大きな野望をかき立てられている。それは独自の半導体を開発し、猛スピードで広がる人工知能(AI)のハードウエア市場に君臨する「次の
エヌビディア」になるためにはどうすればよいかというものだ。
  この戦略は、半導体の製造やエネルギー容量およびその関連技術への幅広い投資につながる可能性がある。詳細を知る関係者によると、孫氏は早ければ来年の夏にもAI半導体の試作品を完成させ、2026年には第1弾を出荷可能な状態にすることを目標に掲げている。

  67歳の孫氏は「AIの先駆者」を自任しているが、AI分野で最も影響力のあるプレーヤーとしてエヌビディアが台頭するのを目の当たりにしてきた。エヌビディアは米
オープンAIが開発した対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」などのAIモデルのトレーニングで使用される半導体においてほぼ独占状態にあり、時価総額は3兆ドル余りに上る。

孫正義氏(1996年)
Source: The Asahi Shimbun/Getty Images  現在、数多くのスタートアップ企業を擁し、エネルギー効率の高さからスマートフォン向け半導体の設計でほぼ独占状態にある英
アーム・ホールディングスの株式を約90%保有するソフトバンクGを率いる孫氏は、真の挑戦者となる準備ができている。
  匿名を条件に非公開の戦略について語った関係者によると、孫氏はAIをあらゆる場所で利用できるようにするためにソフトバンクG独自の半導体を開発する決意を固めているという。
  また、AIを巡る慢性的な電力不足への対応にも意欲を示しており、製造パートナー候補である半導体受託生産の世界最大手、
台湾積体電路製造(TSMC)と共に、アームがこれらの取り組みの中心的な存在になると見込んでいる。

  孫氏はさらに、ソフトバンクが最近
買収したAI向け半導体スタートアップの英
グラフコアからノウハウを得ようとしているという。グラフコアはAIソフトウエアの高速化に向けより大規模な処理装置(PU)を設計している。
  もっとも、多額の負債を抱えるソフトバンクGによる資金調達を含め計画はまだ流動的だ。
  不確定要素の一つが米半導体メーカーの
インテルが果たし得る役割だ。アームは今年、インテルに対し、プロダクト部門の買収を打診したが、インテル側から「売却対象ではない」と
拒否された。だが、その後、部門売却に否定的な見解を示していたパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)が取締役会によって
解任されている。
  一方、ソフトバンクGはすでに顧客となり得る企業に接触しており、少なくとも1社のクラウドAIプロバイダー企業がソフトバンクG独自の半導体をデータセンターで使用することに関心を示している。
  孫氏の計画は最終的に、エヌビディアが注力しているデータセンターでのソフトウエアトレーニングの範囲をはるか超えてAIを活用し、家庭内やオフィス、移動中においても使用可能な「AIエコシステム」の構築を目指すという壮大なものだ。

ソフトバンクグループ創業者の孫正義氏は、次期米大統領のドナルド・トランプ氏と会談し、今後4年間で1000億ドルに投資すると約束
Source: Bloomberg  孫氏はこうした野望について公にはほのめかす程度にとどめている。ソフトバンクGの担当者はコメントを控えた。アームの担当者もコメントを控えている。
  ソフトバンクGの最高財務責任者(CFO)、後藤芳光氏は、ソフトバンクG本社でのインタビューで詳細には踏み込まなかったものの、孫氏がもはや自身の野望に金銭的な制約を与えていないと明かした。
  後藤氏は、財務方針を順守しながらも孫氏の野望を実現する方法は常にあると指摘。資金の規模によって「最初から実現の可否を決めるのはあまり賢いやり方ではない」と述べた。

  エヌビディアの画像処理半導体(GPU)は、その機能と使いやすさの点で競合他社のはるか先を進んでいる。これまで最強の挑戦者だった米
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)でさえ売上高や市場シェアにおけるエヌビディアとの差をほとんど埋められていない。
  だが、AIに必要な計算能力と資金は膨大で、競合する半導体設計の開発にチャンスが生じており、米
アマゾン・ドット・コムや米グーグルの親会社、
アルファベットなどのテクノロジー大手に加え、数十社に上るスタートアップ企業がエヌビディアだけでは満たせない需要を取り込もうとしのぎを削っている。

米エヌビディアのジェンスン・フアンCEO(左)と孫正義氏(東京、11月13日)
Photographer: Akio Kon/Bloomberg  「半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防(邦題)」の著者、クリス・ミラー氏は「市場が急成長し、大きく変化するからこそ、新規参入の余地がある。ソフトバンクGの野心と規模を考慮すれば、同社がこの市場に目を向けるのも驚きではない」と話す。
  ソフトバンクGは、これまで予測不可能かつ競争の激しい分野だったAI半導体の設計が今後10-20年で劇的に変化すると確信している。
  一つの疑問は、エヌビディアのケースのように、単一のGPUでトレーニングと推論の両方を実行する方が効率的かどうかだ。2つの機能を別々に実行した方がエネルギー効率が良く、より速いとしたら、新たなプレーヤーにチャンスが生まれるかもしれない。

エヌビディアの「ブラックウェル」
Photographer: Akio Kon/Bloomberg  事情に詳しい関係者によると、孫氏はスマートフォンからロボット制御システムまでネットワークの「エッジ」にあるコネクテッドデバイスの推論をサポートする上で、アームは有利な立場にあると考えているという。
  エネルギー効率に優れたアームのアーキテクチャーは現在、AIトレーニングでエヌビディアのチップと並行して動作する中央処理装置(CPU)の設計を左右している。これは主に裏方としての役割だが、アームが独自のアクセラレーターで主役を演じることができたらどうなるだろうか。
  ミラー氏は「AIは出現したばかりの産業で、まだ初期段階にある」とし、現時点ではAIアクセラレーターの大半がトレーニングに使用されているが、将来的には計算能力の大部分はデータの予測や推論にこのトレーニングを活用するために使用される可能性が高いと指摘。「エヌビディアは明らかにAIアクセラレーター市場の第一人者だが、この市場は間違いなく成長し、今後10年間で大きく変化する可能性がある」と述べた。

  ただ、他の企業も狙いは同じだ。AMDは来年、自社製アクセラレーターのアップデートを計画しており、推論速度の大幅な飛躍が見込まれるとしている。アマゾンのエンジニアも年末までに最新のAIアクセラレーター「トレーニウム」をデータセンターに提供すべく取り組んでおり、アマゾンが有する広範なインフラが勢いの加速につながるかもしれない。

オースティンのアマゾン施設にある「トレーニウム2」システム
Photographer: Spencer Lowell/The New York Times/Redux  結局のところ、ソフトバンクGが成功する確率は主にアームの知的財産にかかっている。これ以外の孫氏の持ち球は、資金源となり得る日本でのソフトバンクGの顧客基盤(アマゾンには到底及ばないが)や、グーグルなどのデータセンターへの電力供給を一部担っている米国での再生可能エネルギープロジェクトの運営などだ。また、スリム化したビジョン・ファンドに投資専門家のチームを置き、買収したグラフコアなど必要な企業や技術を探し回っている。
  グラフコアのナイジェル・トゥーンCEOは7月のソフトバンクGによる買収発表時に「われわれのビジョンは現実に根ざしたものだが、実際には孫氏が推進してきた壮大なビジョンの一部とも一致している。われわれは非常に壮大なビジョンの実現に携わっている」と語っていた。
  ソフトバンクGの半導体開発計画の詳細は、どのくらいの企業や投資家が関与するのかを含め、まだ多くが議論されている。TSMCは望ましい製造パートナーだが、ソフトバンクGは生産能力と技術支援を確保するために他のパートナーを模索するかもしれない。
  孫氏はまた、オープンAIとの戦略的提携に向けた下地づくりも進めている。ビジョン・ファンドはオープンAIに5億ドルを投資したほか、オープンAIの従業員から最大15億ドル相当の株式取得を目指している。

オープンAIのサム・アルトマン氏
Photographer: Chona Kasinger/Bloomberg  孫氏は側近らへのメールで、数世紀にわたる規模で考えるよう呼びかけている。孫氏の考えをよく知る関係者の1人によると、この半導体プロジェクトは壮大だが、同氏が追求している数多くのプロジェクトの一つに過ぎず、最終的にはソフトバンクGの新たな方向性の50%を占めるかもしれないし、わずか0.5%にとどまるかもしれないという。
  ソフトバンクGの最近の発表は、エヌビディアの次世代AI半導体「ブラックウェル」を使用したスーパーコンピューターや自動車のAI処理の高速化、ロボット企業を巡るビジョン・ファンドによる一連の取引など多岐にわたっている。孫氏はロボットについて、実生活におけるAIのメリットを人々に届ける上で極めて重要だと述べている。

孫正義氏
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg  ブルームバーグ・ニュースは今年2月、孫氏がAI半導体を供給する新会社設立に向けたプロジェクト「イザナギ」を進めていると
報じた。この報道について6月のソフトバンクGの株主総会で質問された孫氏はほほ笑みながら「具体的なこと(を話すの)はやめましょう」と述べた。

  「方法論については競争もあるので、あまり早め早めに手の内をさらすといけない。結果でわれわれは勝負しなくてはいけない。プロの世界だからだ。方法論について事前のコメントはしない」とした上で、「ただ結果についてはコミットする。どこかのCMみたいだね」と断言した。
原題:
Masayoshi Son’s Next Great Hope is Taking Nvidia’s AI Crown(抜粋)

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[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 目指せ「次のエヌビディア」-ソフトバンクGの社運賭けた孫氏の野望

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