サマーズ元米財務長官はトランプ政権がウクライナにかける圧力が、米国の伝統とあまりにも食い違うと述べた。トランプ大統領はウクライナ支援の見返りとして同国の天然資源を要求している。
「トランプ政権の提案を詳細にわたって見ていないが、現時点で見受けられる限り、ベルサイユ条約のようだが侵略国ではなく、侵略された側に突きつける内容だ」とサマーズ氏はブルームバーグ・テレビジョンで話した。ベルサイユ条約は第1次世界大戦後、ドイツと連合国が調印した講和条約。ドイツに財政面などで厳しい制裁を科し、結果として次の大戦を招いたと広く認識されている。
サマーズ氏が発言する数時間前、ウクライナの
ステファニシナ副首相(欧州統合担当)は、国内天然資源の一部を米国に譲渡する取引が交渉の最終段階に入っていると明らかにした。ベッセント米財務長官は週末に英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に論説を寄稿し、天然資源を巡るディール(取引)は「ウクライナ経済の成長をターボチャージする」ことに重点を置いていると説明。「米国民の利益とウクライナ国民の利益を一致させる」と主張した。
動画:トランプ政権の対ウクライナ政策について話すサマーズ氏
出所:ブルームバーグ関連記事:
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ハーバード大教授でブルームバーグTVなどでコメントする寄稿者でもあるサマーズ氏は、報じられているウクライナとの合意案と、第2次世界大戦後の西欧復興を目指した米国のマーシャルプランとでは何が異なるのかを説明した。
「米国は第2次大戦後、西欧諸国の再建と復興を可能にするための主要な財源を提供した」と述べ、これが冷戦において米国を有利にする柱となったと指摘。「今は現実主義が求められていると認識している。米国がウクライナの希望や要望すべてを引き受けられるとは思わない」と述べ、2022年にロシアによる侵略で始まった戦争を終わらせる取り組みに支持を表明した。
米財務省にコメントを求めたが返信はない。
1938年の過ち
ウクライナのゼレンスキー大統領が23日に会見で明らかにしたところによれば、ウクライナの天然資源分配を求める米国は5000億ドル(約74兆6350億円)の支払い確約要求を取り下げた。ゼレンスキー氏はまた、その数字は900億ドルに近いと反論した。
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サマーズ氏は「米国の政策が被侵略国に戦争の責任を問い、国土を破壊され巨額の債務を負った被害国を相手に、これまでの支援の見返りとして限られた資源をよこせと要求する。これはベルサイユ条約を超越している」と述べた。
ロシアによる侵攻から3年を迎えた24日、米国は国連総会で、ロシアによる「全面侵攻」を非難するウクライナ支持の決議案に反対票を投じた。
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サマーズ氏は1938年に英国が犯した過ちを繰り返してはならないとも警告。英国が当時、ナチス・ドイツの領土拡張に立ち向かわなかったように、米国がロシアのプーチン大統領に対し同様の姿勢を取らないよういさめた。「米国は侵略者をなだめるだけでなく、積極的に支持さえしている。世界において米国がそうしたアプローチを取るような未来を憂慮している」と述べた。
ヘグセス国防長官が支持する、米軍事予算を向こう5年間で8%縮小する計画も、米国の地政学的影響力を損なう恐れがあり、これに対外支援からの米撤退が追い打ちをかけるとサマーズ氏は述べた。
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この2つの政策は「中国に大きな戦略的恩恵を与える」と指摘。「中国政府が自信を深めるとすれば、世界の秩序を継承できるという考え方と大いに関係するだろう」と述べた。
原題:
Summers Calls US Demands in Ukraine Talks ‘Beyond Versailles’(抜粋)






