イングランド銀行(英中銀)のラムズデン副総裁は、南アフリカのステレンボッシュ大学で講演し、英国のインフレが以前の想定よりも長引きそうな兆候が見られる中、利下げに際し政策立案者は「細心の注意」を払う必要があると述べた。
ラムズデン氏は、従来のハト派的な見解を撤回し、妥結賃金の予想以上の上昇や、生産性の低さにより英国の経済成長速度が鈍化していることなど、インフレ見通しに対する懸念を表明した。
イングランド銀行のラムズデン副総裁(2月6日)
Source: Bloomberg ラムズデン氏は「昨年の私の立場と比べ、英国の労働市場の見通しや、それが将来のインフレ持続性や成長に及ぼす影響について、今の私は確信が持てなくなっている」と述べた。また、「金融引き締め策の段階的かつ慎重な撤廃が適切との確信は、以前よりもさらに強まっている」と強調した。
ラムズデン氏の立場は、その後の英中銀の方針を示唆することがよくあり、金融政策委員会(MPC)の先行指標のようにみられている。昨年8月に同中銀の金利緩和サイクルが始まって以来、同氏は一貫してより積極的な利下げを主張しており、過去7回の会合のうち6回で利下げに賛成票を投じた。MPⅭ外部委員のスワティ・ディングラ氏だけが、より積極的な利下げを求めている。
2月6日、MPCは政策金利を0.25ポイント引き下げ
4.5%とした一方、緩和のペースについては、このところの3カ月に1度のペースから鈍化する可能性を示唆した。市場は今年あと2回の利下げを完全に織り込んでおり、3回目の可能性を50%以下とみている。
自身の趣味である登山に例え、ラムズデン氏は「下山には細心の注意が必要だ。安全な下山と成功を確実にするには、山を下りる際に常に慎重なアプローチが求められる」と語った。
米国のトランプ政権が検討する追加関税を巡り、ラムズデン氏は、世界的な貿易戦争が「英国の経済活動を低下させる」と述べた。物価への影響については「他の国の貿易政策や、さまざまな伝達経路の相対的な強さによって、英国ではインフレまたはデフレになる可能性がある」と指摘した。
ラムズデン氏は「中期的に、持続的に2%のインフレ目標を達成するリスクが、下方にあるとはもはや考えておらず、むしろ両面性があると考えている」と述べた。
原題:
‘Great Care’ Needed With BOE Rate Cuts, Deputy Governor Says (1)(抜粋)




