マルチ戦略ヘッジファンドは新型コロナウイルス禍の初期以来で最大の難局に直面している。最近の市場急落で過密取引の急速な巻き戻しを迫られているためだ。
世界最大のマルチ戦略ファンドである
シタデルと
ミレニアム・マネジメントのリターンは2月に低迷し、3月第1週にさらに悪化した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
トランプ米大統領が引き起こした貿易戦争や根強いインフレが株価急落を招く中で、これらのファンドで多額の資産を運用してきた一部チームは既に清算ないしポジション縮小を余儀なくされた。
投資家によると、3月に入ってケン・グリフィン氏のシタデルや
ポイント72アセット・マネジメント、
バリアズニー・アセット・マネジメントなど業界大手のリターンは悪化。シタデルの2月のマイナス1.7%は2021年5月以来最大の損失であり、3月も6日までの運用成績が既にマイナス1.7%と芳しくない。
ただ、こうした状況にもかかわらずグリフィン氏は自身のチームに株価急落の機会をうまく利用するよう促した。事情に詳しい関係者によると、シタデルの共同最高投資責任者(CIO)、パブロ・サラーメ氏らに今週送った電子メールで「攻撃的にいこう」と呼び掛けたという。
ミレニアムのリターンは2月がマイナス1.3%、3月の最初の6日間はマイナス約1.4%。指数リバランス戦略を採用する二つのトレーディングチームは今年に入り約9億ドル(約1330億円)の損失を出した。
バリアズニーの年初から2月までの成績はプラス3.5%だったが、今月に入りプラスのリターンが縮小した。非公開情報を理由に関係者らが匿名で明らかにした。
DEショーの2番目に大きいファンドでマクロ戦略が中心の「オキュラス」は昨年プラス36%と好調だったが、今年は3月7日までに価値が4.4%目減りした。旗艦ヘッジファンド「コンポジット」は今月ほぼ横ばい、年初来ではプラス約1.4%となっている。
事情に詳しい関係者によれば、
マーシャル・ウェイスの旗艦ファンド「ユーレカ」ファンドの今月の運用成績はマイナス3%。
Hedge Funds' Favorite Stocks Tumble
Source: Bloomberg
Data is normalized with factor 100 as of Dec. 31, 2024.
市場の混乱は株式や商品を含む幾つかのヘッジファンド戦略を一変させた。 成績が振るわないトレーダーを直ちに解雇し、ポジションを清算すればリスク管理とリターン安定に寄与するが、それが一斉に行われた場合、市場の売りに拍車を掛けることにつながる。
ダイナミック・ベータ・インベストメンツの創業者、アンドルー・ビア氏は「まるで象の群れが非常口に殺到しているようだ」と指摘した。
シタデルなどトップヘッジファンドの2月のリターン振るわず
Source: Bloomberg原題:
Multistrats’ Rare Losses Test Appeal Amid Trump’s Trade War (1)(抜粋)






