イングランド銀行(英中央銀行)は、トランプ米政権の関税による市場の混乱にさらされる中、ヘッジファンドがプライムブローカーから「大幅な」追加証拠金を求められており、市場の「さらなる急激な調整」のリスクは引き続き高いと警戒している。
9日に公表した4、8日の金融行政委員会(FPC)の議事録からわかった。
FPCでは、ヘッジファンドが今のところこうした求めに応じられているものの、世界的なリスク環境は悪化していると警告した。FPCは「不確実性が増している。悪影響を及ぼすイベントの可能性や、その深刻さの度合いが高まっている」とした。
トランプ氏が相互関税を発表して以来、市場は大混乱に陥っている。株式投資家は手じまいに向かい、何兆分もの価値が消失した。市場の動揺は今週も続いており、米株式市場の「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時の水準まで上がっている。
イングランド銀行は昨年、数カ月かけて投資銀行や保険会社、ヘッジファンドなどがさまざまなストレスにどう対応できるかを検討した。その結果、ヘッジファンドや資産運用会社などが、危機的状況下では「準備不足」になる恐れがあるとしている。
FPCでは、一部のヘッジファンドは先週のトランプ氏の関税発表に先立ち、ポートフォリオのリスクを軽減していたため、市場の変動による影響が少なかったと指摘した。
それでもイングランド銀は、英国債市場でのレバレッジ投資戦略の増加によるリスクを警告した。
ヘッジファンドはレポ市場を利用して、国債を直接保有したり、現物と先物の価格差を利用するいわゆるベーシス取引など、他の資産クラスとの相対的なポジションを取ったりしている。市場関係者は、ここ数日の米国債の乱高下は、ベーシス取引の解消が原因の一部と推測している。また、市場の混乱の中で、英国債も大幅に売られている。
FPCは「レバレッジをかけたポジションの強制的または急速な解消は、特に集中した場合に価格ショックを増幅し、金融安定リスクを生み出す可能性がある」と述べた。カナダ銀行や欧州中央銀行(ECB)を含む他の中央銀行も、同様のリスクに注目している。
原題:
BOE Warns Risk of ‘Further Sharp Corrections’ in Markets Is High(抜粋)





