超長期金利の反乱、青天井で金融・財政に影響も-日本国債市場の異変
記事を要約すると以下のとおり。
日本国債市場で金利が高騰し、急激にイールドカーブ(利回り曲線)のスティープ(傾斜)化が起きている。 金利急騰の背景にあるのは主要な買い入れを段階的に縮小。流動性が乏しい超長期債は特に売り圧力にさらされやすく、評価損リスクへの警戒に加え、米国の関税政策を巡る不透明感も手控え要因となっている。日銀は今後、景気を下支えするために追加利上げを見送るか、二者択一を迫られるためだ。さらに、インフレ期待の高まりを反映するイールドカーブの傾斜化は、超長期ゾーンの利回り上昇は「インフレ期待を日銀が過小評価すべきではないという明確なメッセージだ」と指摘。 海外市場でも国債利回りは16日に3.47%と最高水準を更新した。 三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「30年債で3%、40年債では3.5%が上昇のめどだと思っていたが、いずれも通過点という位置付けになりつつある」との認識だ。一方、銀行は預金と貸出金利の急騰は一時的で、落ち着き、日銀が段階的な追加利上げを再開すれば、金利は安定に向かうとの見方もある。 足元の流れが続くかどうか、鍵を握るのは引き続き生命保険会社だ。 バークレイズ証券の為替債券調査部長の門田真一郎氏は「30年債の価格を安定させるには生保の買いが不可欠だが、明確な購入意欲は確認されていない」と分析する。関連記事:超長期国債への海外資金流入が過去最高、リスク回避で安全資産需要 野村証券の宍戸知暁シニア金利ストラテジストも、海外投資家や年金勢が「生命保険会社に代わるような安定的な超長期国債の買い手になることは考えにくい」との見方だ。関連記事日本の30年国債、値下がりで買いの好機-バンガードとブルーベイ超長期債の買い手不在は深刻、10年と30年債利回り差が過去最大に日銀に代わる安全網欠き金利上昇圧力、大手生保は国債投資に慎重日本国債先物、週間で38年ぶりの大幅高-米関税で日銀見通しに変化。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 超長期金利の反乱、青天井で金融・財政に影響も-日本国債市場の異変