世界で最も成功していたキャリートレード戦略が脅かされつつあると、
ゴールドマン・サックス・グループが警告した。トルコ中央銀行がトルコ・リラの対ドル下落ペースを容認しているためだという。
同社のエコノミスト、クレメンス・グラーフ、バシャク・エディズギル両氏は28日のリポートで、トルコ中銀は最近、リラの下落ペースを意図的に速めており、投機的資金の流入抑制や、輸出企業による「リラが高過ぎる」との苦情への対応を意図している可能性があると指摘した。
「中銀はキャリートレードによる外貨流入に依存して外貨準備を積み増すことを重視していないもようだ。そのため、リラを下落させる政策は一つには、そうした資金を市場から締め出す狙いがあるのかもしれない」とゴールドマンは分析している。
有力な大統領候補と見なされイスタンブール市長だったエクレム・イマモール氏が3月に逮捕されたことで政治不安が広がりリラが急落、インフレ見通しも悪化した。これを受けて中銀は昨年12月から始めた金融緩和を反転させている。
関連記事:
トルコが予想外の利上げ、貸出金利も引き上げ-投資家の不安緩和図る
しかし、リラは5月に対ドルで約1.6%下落し、前月の1.4%安に続く形となった。
政策当局はインフレ率を4月の38%から年末までに24%に押し下げたい考えだ。現在のリラ安のペースはこの目標に相反する。
ゴールドマンは、中銀は遅くとも7月に「現在の為替政策も見直す可能性が高い」とみている。
現在の為替政策は、「実質為替レートの大幅な上昇を回避するため、あらかじめリラ安を織り込む前倒しの調整」だとの見方を示した。
過去2年にわたり、高金利とインフレ調整後のリラの相対的な強さが、キャリートレードによる資金流入を促してきた。
中銀は流入資金を活用して外貨準備を積み増すことができたが、市場に巨額のリラ資金を放出することになり流動性管理が複雑化した。
原題:
Goldman Warns World’s Best Carry Trade at Threat From Lira Slide(抜粋)






