【コラム】マスク氏の「政治劇」で露呈したテスラの弱さ-デニング
記事を要約すると以下のとおり。
密月関係にあったテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とトランプ米大統領の決裂は、多くの人にとって想定内だったと思われる。6日の反発は後者に極めて近い。融和的な発言はあったものの、今回の愛憎劇によって、マスク氏の政治的言動がテスラに及ぼす多様なリスクが改めて浮き彫りとなった。バイデンがこれをやらなかったことは常に驚きだったというものだ。EVに批判的な候補者を支持する姿勢は一見ちぐはぐにも映ったが、自動運転車へのシフトを鮮明にしていた同社の戦略を踏まえると、一定の合理性もあった。「MAGA(米国を再び偉大に)」運動に反発する層からの逆風にさらされているほか、中国メーカーの圧倒的な競争力も重くのしかかっている。仮に表向きの和解があったとしても、マスク氏の巨額の資産と企業帝国は、極めて手強い存在だ。 マスク氏は巨額の資産を保有する一方で、その資産に対しては、「地上で最も権力を持つ人物が大きな影響力を行使し得るのだ。」 テスラ株も脆弱性を抱えている。販売台数の減少と大幅な値引き対応に苦慮するテスラにとって、こうした逆風はまさに避けたい事態と言える。両者が舌戦を繰り広げたその日、ゴールドマン・サックスは、米国におけるテスラの顧客基盤を、縮小傾向にある無党派層に実質的に絞り込んでいるようにも映る。 さらに問題は続く。 そうなれば、マスク氏本人のみならず、投資家にとっても大きな打撃となるだろう。 一連の事態は不可解にも映るが、その根底には、マスク氏の突発的な言動や無用な対立をいとわない長年の性向がある。だが不幸なのは、テスラの命運が今や、同じく「ミーム」の使い手であり、短気な性格を持ちつつ、時に強力な官僚機構を掌握する人物の気まぐれと利害に委ねられる構図となっていることだ。このコラムの内容は、必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)原題:MuskDustUpLaysBareTesla’sVulnerabilities:LiamDenning(抜粋)ThiscolumnreflectsthepersonalviewsoftheeditorialboardorBloombergLPanditsowners.。
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