5月の消費支出は物価変動の影響を除いた実質ベースで、2022年8月以来の高い伸びとなった。昨年発生した認証不正に伴う生産・出荷停止で落ち込んだ自動車の購入が反動で伸び、全体を押し上げた。
総務省が4日発表した家計調査によると、1世帯当たり(2人以上の世帯)の消費支出は31万6085円。実質で前年同月比4.7%増と2カ月ぶりのプラスとなった。市場予想(1.2%増)を大きく上回った。前月比では4.6%増加した。
増加に最も寄与したのは交通・通信で、中でも自動車購入が伸びた。総務省は自動車購入の増加について、昨年の認証不正で軽自動車を中心に落ち込んでいた反動増が出たと説明した。この他、教養娯楽では外国バック旅行費の支出が増加した。
S&Pグローバルマーケットインテリジェンスの田口はるみ主席エコノミストは、「自動車や旅行など一時的な要因が強く出た」との見方を示した。物価高はまだ消費の押し下げ要因になっており、賃金は伸びているが実質賃金はマイナスが続いているので消費が強くなっていくとは思っていないと語った。
全国軽自動車協会連合会によると、昨年5月の軽自動車新車販売台数は前年同月比7.7%減少。認証不正の影響が直撃したダイハツ工業や、トヨタ自動車などが前年を下回った。国土交通省は認証不正問題を受け、出荷の一時停止を指示していた。一方、供給の正常化に伴い販売が回復に向かう中、今年5月は同8.8%増と5カ月連続のプラスとなっている。
大和証券の末広徹チーフエコノミストは、自動車で特殊要因とみられる動きがあったが、それ以外のところは変わっていないと指摘。「小幅に潜在成長率程度、消費が増えている状況に変わりはない」との見方を示した。
統計発表後の円相場は円高方向に振れ、一時1ドル=144円58銭を付けた。発表前は144円80銭台で推移していた。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは電話取材で、ドル・円には米雇用統計の結果を受けて上昇した反動が出ているほか、日本の5月の実質消費支出が強かったことで円が買われている面もあると述べた。
(自動車の販売動向を追加して更新しました)





