楽天銀行の東林知隆社長は、金利が上昇傾向にある日本国債について、今後日本銀行が追加利上げするまでは積極的に積み増すつもりはないと明らかにした。
6月に就任した東林氏がブルームバーグとのインタビューで述べた。楽天銀の預金残高は同月末に11兆7000億円と、4兆円強だった5年前から3倍近くに増えた。主要な地方銀行・グループの上位層に並ぶ規模だ。急速な規模拡大に伴い、資金運用や貸し出しの方針に注目が集まっている。
資金運用について東林氏は「基調としては、われわれは金利上昇があっても問題ない運営を主眼に置いている」と説明した。日本国債を巡っては、政策金利が「もう1-2回上がる前は積み増しを積極的にすることはない」と話した。2025年1-3月期から2四半期連続で運用目的では新たに国債を買わなかった。
楽天銀行の東林社長(7日・都内)
Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg「日銀は利上げしたがっている」
日銀の金融政策に関しては、「発信されるメッセージから、日銀は利上げをしたがっていると伝わってくる」と述べた。足元の0.5%という政策金利の水準では将来景気が悪化した際、日銀が利下げというカードを切りにくくなるとの認識も示した。
同業のネット銀行の競争が激しい住宅ローンについても慎重なスタンスを崩さない。東林氏は、他行の超低金利の住宅ローン商品は「われわれだとメークセンスしない」と語った。金利が上がり、利ざやの水準が適正化してきたところが「アクセルを踏むタイミングだ」と説明した。
前社長の永井啓之氏は2月、住宅ローンについて「低金利で住宅ローンを貸すと、金利が上がっていく中でデフォルトが増える」とし、高所得者を対象に貸出先を絞っていると
説明していた。東林氏もこの流れを引き継いだ形だ。
同行はリスクとリターンのバランスが中程度の「ミドルリスクアセット」残高を拡大している。カードローンや投資用マンションローンなど同分野の残高は6月末に2兆9000億円と1年前から23%増えた。
楽天IDのデータ分析しAI与信判断
東林氏は、人工知能(AI)の活用を加速させる考えを示した。融資における審査業務を高度化したり、顧客の利便性を高めたりする。
楽天グループは日本最大級のオンラインショッピングモール、楽天市場を中心とする楽天IDに強みを持つ。定期的に利用しているユーザーが月間4400万人いるとし、「そこから生まれるトランザクション(決済)データが武器になる。これを差別化要因にしていくのは大きい」と強調した。
東林氏は、法令や各種規制が許す範囲で、日々大量にたまる購買データを将来的に融資の際の与信判断に活用していきたいと述べた。データをAIで分析し、貸し倒れや返済遅延といったリスクを判定する。
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