財務省が国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)会合のメンバーに対し、流動性供給入札の減額の是非を聞くアンケートを送付していたことが分かった。
財務省は例年、9月のPD会合前に流動性供給や物価連動債の発行規模について市場関係者の意見を聴取している。27日に送付したアンケートでは、残存15.5年超39年未満の超長期ゾーンを対象とした流動性供給入札について、発行額を1000億円減額する案と、10月の入札をスキップする案の2案を提示した。匿名を条件に複数の関係者が取材で明らかにした。
日本銀行の早期利上げ観測が強まっていることに加え、参院選で自公連立与党が過半数割れした結果、野党の勢力が増して財政拡張圧力が高まるとの懸念から、超長期金利は上昇傾向にある。財務省は7月に年度途中としては異例の超長期債発行減額を実施した。今回の動きは、さらなる需給調整に向けた姿勢を示すものと受け止められている。
質問票の送付については28日に日経新聞が先に報じている。
加藤勝信財務相は29日の閣議後会見で、質問状送付の事実関係については言及を避ける一方、「市場動向をよく注意し、市場参加者と丁寧に対話しながら適切な国債管理政策に努める」と述べた。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは「2四半期連続で超長期債の発行が減額されれば、需給が改善するまで発行減額が続くとの期待につながり、超長期債の割安さはどこかで修正される」とみている。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、流動性供給入札の減額を聞く質問は「既発債の買い入れ消却を実現させるための第一歩と考えることができ、超長期債相場のサポートになる」と述べた。
財務省は5月にPD会合メンバーを含む幅広い債券市場参加者に国債の発行額について
アンケートを送付した。この際、多くの投資家にとって含み損となっている既発債の買い入れ消却を求める声も強かったが、財務省は消極的な見方を示し実施は見送られた。
稲留氏は「流動性供給入札で既発債を発行しながら買い入れ消却を行うのは整合性が取れないというのが主な理由だった。流動性供給入札をやめれば障害が一つなくなる」との見方を示す。
(加藤財務相の発言を加えて更新しました)





