オランダの年金制度改革を受けて、ドイツ国債に「ミスプライシング(価格のゆがみ)」が生じていして、米ヘッジファンドがこれを利用した取引を進めている。
ニュージャージー州を本拠とする
バーネガット・ファンド・マネジメント(運用資産6億2100万ドル、約920億円)は、長期の欧州国債がスワップに比べて過度に割安になっていると分析。
創業者のボブ・トルーエ氏によれば、同社は30年物のドイツ国債先物でロング(買い持ち)ポジションを取り、同期間のスワップをショート(売り持ち)するポジションを構築している。スワップ金利に対して国債利回りが高過ぎるとの見方だ。
一方、5年物のような短期については逆の取引を行っている。短期の国債は相対的に割高だとみている。
創業25年のバーネガットは、2008年の金融危機後に相対価値取引(レラティブバリュー)や裁定取引で高い運用成績を上げた。創業来の成績はトップクラスだ。
トルーエ氏は今年に入り、ユーロ圏のスワップスプレッド取引を積み増している。オランダの年金制度改革による債券市場の変動を捉える狙いだという。
オランダでは、確定給付型からの年金制度移行に伴い、長期資産、特に国債の需要が減少すると予想されている。市場参加者は既にこうした動きを先取りし、いわゆるスティープナー、つまり長期国債を売って短期債を買うポジションを積み上げている。
しかしトルーエ氏は、スティープナー取引の増加が市場にゆがみを生んでおり、長期国債が過度に割安になっていると指摘する。
ボブ・トルーエ氏
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg 「新聞でオランダの年金移行の記事を目にし、営業担当者がこの取引がいかに流行しているかを語っていた時点で、『30年債をショートして5年債をロングにするポジションが大量にある』と直感した。実際、その通りだった」と語った。
バーネガットにサービスを提供している銀行のある営業担当者は、こうした取引を「自身のキャリアの中で最も人気のある取引」と表現していたという。
現在、30年物ドイツ国債の利回りは3.27%で、同期間のスワップ金利を約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回っている。一方、5年物国債の利回りはスワップを約5bp下回っている。
両者のスワップスプレッドは22年から乖離(かいり)し始めており、トルーエ氏はこの背景にオランダ年金制度の影響によるスティープナー取引の流入があるとみている。
原題:
Dutch Pension Shift Has Hedge Fund Chasing Mispricings (1)(抜粋)






