米国債市場のインプライドボラティリティー(予想変動率)が約4年ぶりの低水準に沈んでいる。米政府の一部閉鎖により主要な経済統計の発表が遅れ、大きな価格変動を促す材料がなくなっているためだ。
米国債市場の今後1カ月の変動を示す指標として注目されるICE BofA MOVE指数は、政府閉鎖が2018年以降で初めて発動された2日後の3日、21年12月以来の低水準まで下落した。
ボラティリティーは、トランプ米大統領が発表した関税措置で市場が混乱した4月の急上昇以降、低下傾向を続けていたが、先週末には政府閉鎖で公式統計の発表が止まったことを受けてさらに一段と低下した。
3日には雇用統計の発表が見送られた。雇用統計は連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ・利下げ判断を見極める上で最も重要な指標の一つだ。
イアン・リンゲン氏らBMOキャピタル・マーケッツのストラテジストはリポートで「政府の公式データがないことで、投資家は実体経済の動向を把握できない。主要統計の発表が再開されるまで不透明な状況が続く」と指摘した上で。「この環境では、米金利市場は当面、もみ合いの局面に入るだろう」と述べた。
米議会での対立が長引けば、15日の消費者物価指数(CPI)発表にも影響する可能性がある。FRBは10月29日に次回の金融政策決定を予定しており、市場では2会合連続となる0.25ポイントの利下げが見込まれている。
週明け6日時点では、政府閉鎖をめぐる早期の打開策は見られなかった。一方、JPモルガン・チェースのイペック・オジル氏らアナリストは、予想変動率の反転上昇を見込む取引が「魅力的」になりつつあると指摘した。同行のモデルによると、ボラティリティーをショートするポジションは、今後1カ月で「統計的に有意なマイナスリターン」をもたらす可能性があるという。
アナリストは「政府閉鎖が予想外に早く解決すれば、延期されていた経済指標が一気に発表され、予想変動率が急上昇する可能性がある」とも指摘した。
米政府の一部閉鎖が2週目に突入する中で影響を受ける可能性のある経済指標
Source: Bloomberg
もちろん、海外市場の動向や注目すべき民間データ、FRB高官の発言など材料はほかにもある。しかし、市場を大きく動かす要因として最も重要なのは、政府が発表するインフレ指標と雇用統計だ。
原題:
Bond Volatility Is Collapsing as US Shutdown Creates Data Void(抜粋)






