国際エネルギー機関(IEA)は石油需要のピークが遅れるとの見方を強め、世界の石油消費が今世紀半ばまで増加を続ける可能性を改めて示した。
IEAが昨年
公表した3つのシナリオでは、石油需要はいずれも2020年代に横ばいまたは減少に転じるとされていたが、12日公表の最新報告書に「現行政策シナリオ(CPS)」を再び導入した。
電気自動車(EV)の普及ペースが想定より遅いことを前提とし、世界の石油消費が50年までに13%増加すると見込んでいる。
5年ぶりのCPS復活は、IEAおよびエネルギー業界全体による石油の長期予想見直しを裏付けている。トランプ米政権が化石燃料を支持し、再生可能エネルギーを批判し続けるタイミングでの見直しとなったことも注目される。
1973年のオイルショックを踏まえ、パリに設立されたIEAの予測は、各国政府やエネルギー企業が政策・投資計画を立てる上での世界的な基準とされている。
IEAのトーン変化を示した今回の分析結果は、ブラジルで今週始まった国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に参加する代表団にとって、厳しい内容となる可能性がある。
最新見通しはエネルギー業界全体の動きとも整合的で、英石油大手
BPは石油消費が今年にもピークを迎えるとの
見通しを9月に取り下げている。
IEAの報告書はCPSに加え、石油需要が2030年前後にピークを迎えるとする「公表政策シナリオ(STEPS)」も引き続き提示しており、いずれのシナリオをより現実的とするのかといった優先順位は付けていない。
ビロルIEA事務局長はパリ本部からの電話インタビューで、「将来の石油需要を左右する大きな要因の一つは、輸送部門の電化だ」と指摘した上で、「政府の政策次第だ」と述べた。
原題:IEA Reinstates Bullish Oil Demand Growth Scenario in Key Report (抜粋)
— 取材協力 Elena Mazneva and Will Mathis




