力強い企業業績が示すアメリカ経済の底力
2025年の決算シーズン初週、発表企業の73%が予想を超える好業績となりました。テスラやアルファベット（Google）、インテル、コカ・コーラ、ロッキード・マーティンなど業種を超えたリーディングカンパニーの決算が、S&P500やナスダック指数の史上最高値更新を後押ししています。これはコロナ禍からの回復や、米国内における消費や投資の強さを映し出しており、世界市場にもプラスの波及効果をもたらす可能性があります。投資初心者の方は、好調な決算が市場全体を押し上げる力につながること、分散投資の視点で複数業種に注目する重要性を改めて認識しましょう。一方、決算結果に過度に左右されず、自らのリスク許容度に合った資産配分が大切です。
米加貿易協議と関税強化のインパクト
8月1日を期限としたアメリカによるカナダ製品への関税強化（非自由貿易品に最大35%）の動きは、米加間の貿易摩擦緊張を高めています。対象となるのは米加貿易の約4分の1で、農産物や工業製品など幅広い分野が関わります。これに対しカナダ政府は現状、限定的な対抗措置に留めていますが、トランプ大統領の「雇用確保」重視の姿勢もあり、折衷点を探る困難な局面です。関税引き上げは企業の仕入れコスト増や最終消費者への価格転嫁リスクを伴うため、投資初心者は国際情勢と為替変動の影響にも目を向けることが肝要です。先を見据えた柔軟な判断が、ミドルリスク回避のポイントになります。
連邦準備制度への政治的圧力とその裏側
表面的なニュースでは語られにくい注目ポイントが、連邦準備制度（FRB）への政治的圧力です。トランプ政権は8月1日の関税期限より「良い協定」そのものを優先する姿勢を示しつつ、パウエルFRB議長への監督強化・マネジメント批判も強めています。これは通常、中学校の教科書には登場しない行政当局と中央銀行の関係性を示す先例であり、市場の安定性や国際的な信用にも波及しかねません。投資家やビジネスリーダーにとって、金融政策が純粋な経済判断だけでなく、政局の影響も受ける現実を意識することは不可欠です。日本では報道が限られがちなので、多面的な情報収集を意識し、経済的・政治的リスクに強い視点を養いましょう。
