米国政府閉鎖はすでに40日目を迎え、その余波がアメリカ経済だけでなく、世界にも広がっています。投資をはじめたばかりの方やビジネスリーダーにとって、この異例の事態はどのような意味を持つのでしょうか。今日取り上げる３つのテーマを通じて、最新の米国経済を読み解きます。
アメリカ全土の空の便が大打撃、物流とサプライチェーンにも波及
この政府閉鎖が最も分かりやすく現れているのが、空港や航空業界の混乱です。連邦航空局（FAA）の管制官の多くが無給で働いているため、報告によれば先日だけで2500便以上が欠航、多数の遅延が発生しました。特に感謝祭前という旅行のピーク時、空路を中心とした国の物流が著しく低下しています。サプライチェーンへの影響も出始めており、米国内の製品供給や国際物流まで広がる可能性も否定できません。航空会社や関連産業に投資している方は、短期的なリスク管理が鍵となります。
ミリオン単位で生活直撃―社会保障給付の停止
約4200万人ものアメリカ人に支給されていた食料支援（フードスタンプ）が停止されたのも、この政府閉鎖による大きな影響点です。経済的に最も弱い立場にある人々が直撃を受けており、トランプ大統領政権は州政府に対して、いったん配布した支援分を引き戻すよう要求。短期的には国内消費の低迷や、社会不安の拡大、長期化すれば治安やビジネスへの波及も懸念されます。社会課題と経済が直結する典型例と言え、予期せぬ経済リスクに備える重要性を示しています。
世界も注視、閉鎖がもたらす想定外の市場への連鎖反応
この政府閉鎖の影響は国内にとどまらず、国際市場にも波及する可能性があります。アメリカは世界の金融・貿易の中心地であり、物流の遅延や消費の縮小が他国の企業の収益やサプライチェーンにも連鎖。関税交渉や国際便の運航への影響も考慮すべきリスクです。こうしたニュースは日本国内では中学校の教科書で扱われないものの、投資家やビジネスリーダーにとっては世界情勢を読む絶好の材料です。
【ヒントとコメント】
投資初心者の方は、こうした大きな経済イベントの際に「短期的な騒動だけを見ず、長期視点でリスク分散を図る」ことが大切です。ビジネスリーダーは、サプライチェーンや取引先の米国依存度を点検し、異変時のシナリオ対策を今から練ることをおすすめします。アメリカの政治や社会制度が自社のビジネスや資産形成にどのような影響を与え得るのか、多角的な視点でウォッチしていきましょう。
