25日の日本市場では円相場が上昇。トランプ次期大統領が財政規律重視派とされるスコット・ベッセント氏を次期財務長官に指名し、米国のインフレが抑制されるとの見方から、米長期金利の上昇とドル高の「トランプトレード」を巻き戻す動きが広がった。米金利の低下を材料に日本でも債券が買われている。
マクロヘッジファンド運営会社のキー・スクエア・グループを率いるベッセント氏は、トランプ氏が掲げる関税および減税政策を支持する意向。しかし投資家は、財政赤字の削減やインフレ抑制、関税への段階的アプローチを支持している点に着目し、保護主義的な政策が警戒されるトランプ政権で経済と市場の安定を優先するとの期待が高まった。
関連記事:
ベッセント氏「慎重な選択」、米国債市場の不安和らぐ-財務長官人事
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストらはリポートで、ベッセント氏が一定の歯止め役となることで、インフレとドル高の圧力が弱まるとの期待があると分析。財政悪化による米金利上昇懸念が後退し、ドルロングの巻き戻しにつながった可能性もあるとした。
一方、トランプ次期政権の政策期待を追い風に米国の企業活動が拡大したことが好感され、株式相場は続伸。日経平均株価は一時3万9000円の節目を1週間超ぶりに回復した。
日本市場の為替・債券・株式の動き-午後1時41分現在
円は対ドルでニューヨーク終値比0.5%高の154円01銭一時153円55銭まで上昇
長期国債先物12月物は前営業日比9銭高の142円81銭朝方に一時19銭高まで上昇した
新発10年債利回りは0.5ベーシスポイント(bp)低い1.075%
東証株価指数(TOPIX)は前営業日比1%高の2722.18
日経平均株価は1.5%高の3万8841円59銭一時3万9053円64銭と取引時間中として15日以来の高水準
為替
東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=153円台半ばに上昇。次期米財務長官にベッセント氏が指名され、米国のインフレが抑制されるとの見方からドル売り・円買いが優勢だ。28日の米感謝祭を前に持ち高調整のドル売りも出やすい。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、ドル全面安の展開だと指摘。関税強化はインフレとドル高につながると進言していたベッセント氏を起用したことで、「トランプ氏の政策が警戒されたほど過激なものにはならないとの見方から、トランプトレードが巻き戻されているのではないか」と述べた。
もっとも、その後は急速なドル売り・円買いの反動が出て154円台に戻している。
債券
債券相場は上昇。米国の長期金利低下を受けて買いが先行した。ただ、日本銀行による追加利上げへの警戒は根強く、買い一巡後は上げ幅を縮めている。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、米国の次期財務長官人事を受け、米金利が日本時間の朝方にかけて低下したことに連れて買いが先行したと指摘。その後は「日銀の追加利上げ観測や米長期債利回りの低下一服で上げ幅を縮小した」と述べた。
財務省はこの日、流動性供給入札を実施した。稲留氏は、応札倍率が平均よりもやや高めで無難な結果だと指摘。日銀の利上げを巡る不透明感や短い年限の国債発行の増額の可能性など、逆風が吹く中でもしっかり需要が集まったと評価した。
関連記事:日本債券:流動性供給の過去の入札結果(表)
株式
東京株式相場は続伸。日経平均の上昇率は一時2%に達した。米国でトランプ次期政権の政策期待を追い風に企業活動が拡大したことが好感され、自動車や精密機器など輸出関連株が高い。著名ファンドの株式保有が一部で報じられた
京成電鉄や
京浜急行電鉄など陸運株も急伸している。
東海東京インテリジェンス・ラボの池本卓麻マーケットアナリストは「米国経済が崩れないことが日本株には大事」だと指摘。きょうは米景気が好調で、輸出関連をはじめ日本株にとって悪い環境ではないと捉えられているとの見方を示した。
関連記事
ベッセント氏、安倍氏「3本の矢」倣う政策トランプ氏に提言-WSJ
トランプ氏、ベッセント氏を次期財務長官に指名-経済政策指揮
米国債相場、2カ月に及んだ下落止まったか-利回り4.5%に買い殺到
日銀12月利上げで金利急騰リスク、「次」の織り込み不足が災いに
京成と京急株が急騰、旧村上系保有と東洋経済報じる-株主要求の観測
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
[/MARKOVE]






