ハーバード大の寄付基金、運用者報酬は巨額-投資リターンはさえず
記事を要約すると以下のとおり。
米ハーバード大学の卒業生や実業界の著名人が今年2月、マンハッタンのミッドタウンで行われた追悼式に集まった。ボストン港を一望できるボストン連銀ビルのオフィスでHMCは、当時は寄付基金にとって斬新だったプライベートエクイティー(PE)やヘッジファンドといった長期投資戦略を他に先駆けて導入した。年率8.8%というここ20年のリターンは、アイビーリーグ8校中7位。Harvard’sHumblingSizeandreturnofuniversityendowmentsSources:Universitydata,NationalAssociationofCollegeandUniversityBusinessOfficers,BloombergNote:FiscalyearsendedJune30,2023. ハーバード大学のローレンス・サマーズ元学長は、学生新聞「ハーバード・クリムゾン」に対し、過去20年に平均的な基金と同程度の成長をしていたならば、ハーバードの基金総額は現状より200億ドル余り多かったはずだと不満を述べた。HMCの納税申告書によると、ハーバードの基金は依然として高等教育界で最大の規模を誇るが、この状態は長くは続かないかもしれない。石油収入が潤沢なテキサス大学システムが、ハーバードを追い抜く可能性もある。 最近では、パフォーマンスが悪化する直前にプライベートエクイティーに資金をつぎ込んだ。基金の広報担当パトリック・マッキーナン氏は書面で、HMCは同校の教育および研究の使命を支えるリスク調整後リターンの創出に「唯一の焦点」を当てていると説明した。同氏が21年にエール大学を卒業して以来、同大学で働いている。ハーバード大学(マサチューセッツ州は独自の課税を検討しており、同州のケンブリッジ市とボストン市は非営利組織であるために免除されている固定資産税の代わりに、より多くの税金を支払わせようとしている。「ロン(ダニエル氏)や彼と同世代の人々が今もいれば、ハーバードは現在の困難をはるかにうまく乗り切ることができ、こうした問題に直面することすらなかったかもしれない」と同氏は語り、聴衆は拍手喝采を送った。理事会の指示を受けてナーベカー氏はコロンビア時代の同僚を招き入れ、投資成績の回復に努めた。投資の組み合わせを選択する際には、特にリスクに注意を払うよう努めたと説明した。現在もその水準を維持している。 だが、18年以降のほとんどの年において、パフォーマンス低迷と高い手数料への懸念でヘッジファンドからは資金流出が続いた。 事情に詳しい関係者によると、ハーバードはD1に4年間投資したが、同社が2桁台の損失を出した22年に資金返還を求めた。ヘッジファンドはコメントを拒否するか、質問に回答しなかった。プライベートエクイティーファンドは保有資産の価値の報告が遅いため、ハーバードの投資損失にわずかに影響したという。17年7月から23年6月までのナーベカー氏の過去5年間の平均報酬額は660万ドル、および後任者の初年度の報酬額170万ドルで、アイビーリーグで2番目に低かった。ハーバード大の卒業生でタンパ在住の弁護士スタン・エレフ氏は、この記録は同大学が「悪いリターンに高額な報酬を支払っている」ことの表れだと言う。ハーバードは22年に、プライベートエクイティーやヘッジファンドを含む保有資産の種類別運用実績の開示を停止した。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース ハーバード大の寄付基金、運用者報酬は巨額-投資リターンはさえず