ウォール街のアナリスト、調査部門縮小で行き場失う-ブロガー転身も
記事を要約すると以下のとおり。
ジェリー・ディアオ氏は、ウォール街で成功するアナリストの条件を全て備えていた。ユーチューブでは「リチャード・トード」というニックネームで、つい最近までアニメ映画「シュレック」のアバターの陰に隠れて活動していた。しかし、2022年にウォール街を去った後、業界に戻ろうとして失敗したディアオ氏は以前、ユーチューブで顔を隠すために「シュレック」のアバターを使っていたPhotographer:MikeKaiChen/Bloomberg 「後から振り返って、私を採用しなかった全ての企業に感謝することになるかもしれない」。 ディアオ氏(37)は、ウォール街を震撼(しんかん)させる激変に直面し、自己改革を余儀なくされた数多くの元アナリストの1人だ。人工知能(AI)の飛躍的進歩はこの傾向を加速させる恐れがあり、JPモルガンなどはすでにAIを搭載したチャットボットアナリストの実験を行っている。また、報酬は金融業界以外の大半の仕事よりはまだはるかに高いものの、停滞している。 この影響はすでにウォール街の形を変えつつある。当時はメアリー・ミーカー氏やジャック・グラブマン氏のような花形アナリストがセレブのようにもてはやされて1500万ドル以上の報酬を得ていたと言われ、買い推奨は銀行部門の引き受け業務獲得が目的であることが多かった。 バリ・アナリティクスによれば、世界の大手銀行15行では株式アナリストの数が10年前の約4600人から約3000人に減少したのは日本を除くアジアと欧州だ。人員削減は広範囲に及んでおり、株式調査部門が影響を免れたところはほとんどない。(ブルームバーグ・ニュースの親会社であるブルームバーグ・エル・ピーは、一連のサービスの一部として調査リポートを制作している)EquityResearchHeadcountHasDecreasedSharplyResearchdepartmentshavebeenshrinkingoverthepastdecadeSource:ValiAnalytics.Datacovercashequityresearchheadcountattheworld’s15biggestbanks リサーチへの支出も、2年前にこの規則の対象となった。 その結果、株式調査を含むさまざまな分野にAIプログラムを応用するエンジンAIという新興企業にいる。 この業界にとどまっている人々にとって、雇用の安定性は微妙だ。大手はより安い価格でより幅広い企業の調査提供会社が価格競争を主導し、中小企業ははじき出された。 一方、業界に残ったアナリストは、1人のアナリストに20銘柄もの銘柄を担当させることが多いという。 ブルームバーグがまとめたデータによると、現在ラッセル2000指数の構成銘柄で10人以上のアナリストにカバーされているのは約97%と、10年前の880社から70%増えている。 ある論文では、カバレッジのない「孤児」となった企業は投資家が一貫して過大評価または過小評価していることが示された。 また、アンダーパフォームする可能性も高い。「アクティブ投資からの脱却を考えると、この減少トレンドは恐らく防げないだろう。」インテグリティ・リサーチのマイク・メイヒュー氏は、運用会社がアナリストの調査に支払う費用は「ますます減っている」ため、各社はより費用対効果の高い方法を探すことになるだろうと言う。 実際、オンラインのファイナンス関連ブログは近年爆発的に増えており、サブスタックは現在数万のブログを運営しており、21年以来700人近い有料購読者を獲得している。購読料は年間499ドルで、手数料などを差し引くと年間約26万ドルの収入になる。ネットフリックスとメタを含む同氏の10銘柄ポートフォリオは昨年、S&P500種の23%上昇に対して21%のリターンを上げた。現在、サブスタックの有料購読者を「数百人」抱えており、その1人1人1人が同氏のマクロリサーチを読むために年間999ドルを支払っている。ジェリー・ディアオ氏Photographer:MikeKaiChen/Bloomberg 金融ブログがフルタイムの職業としてどれくらい稼げるものなのかについての信頼できる数字は乏しく、ウォール街での経歴をソーシャルメディア上での真の成功に結び付けたアナリストがどれくらいいるかを示すデータもない。 着飾る必要もなければ、オフィスに通う必要もない。 今必要なのは、ほんの少しの運と、あと数人の有料購読者だ。この仕事に伴う自由は金には代えられないほど貴重だと同氏は話した。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース ウォール街のアナリスト、調査部門縮小で行き場失う-ブロガー転身も