キャリートレード復活、ドルが魅力取り戻す-「米国売り」から転換
記事を要約すると以下のとおり。
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米国売り」トレードが広がり、基軸通貨であるドルの先行きを不安視する声が上がったが、ドルは再び世界で最も魅力的な資産の1つとしての地位を取り戻しつつある。その一因としてキャリートレードの復活が挙げられる。 キャリートレードは巨額の資金移動を引き起こし、資産価格や投資家心理をニューヨークからシンガポールに至るまで左右する。 ドル建てキャリートレードの魅力が増した背景には、ドルのボラティリティー低下がある。 ブルームバーグは今回の試算で、株式リターンの代理として益回りを使用し、円やスイス・フランを借り入れる金利と、同期間のドル建て投資利回りとの差をキャリートレード利得の推計に用いた。中国および新興国市場の懸念 キャリートレードの人気が高まる一方で、投資家の間では人工知能(AI)主導の世界的な株高が終わりを迎えるとの懸念が広がっている。 S&P500種株価指数の益回りと米10年国債利回りの差で測る米国株はリスク調整後で実質的にリターンを提供しない水準にある。試算によれば、中国株を1カ月保有した場合のリターンは、ボラティリティー1ポイント当たりの年率換算で0.54%と、より高いリターンだ。 ただ、強気のドル建てキャリートレードにもリスクはある。 ドイツ銀行の新興国市場担当最高投資責任者(CIO)兼裁量型ポートフォリオ運用責任者のジャッキー・タン氏は、「FRBが近い将来に慎重なペースで政策金利を引き下げる可能性があるため、ドルは依然として魅力的なキャリー資産となり得る株式リターンは、1株利益を株価で割って算出する益回りとかけ離れる場合もある。」 2026年に向けてドル建てキャリートレードの拡大を狙うドル強気派にとっては、なお期待材料が多い。 力強い経済指標が続く可能性があると述べた。
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