株式未公開企業と富裕層の「仲人役」を果たすのは、米銀大手
シティグループにとって投資マネーのおこぼれに預かるうってつけの方法に見えた。
わずか数十人の選ばれた顧客にここだけの投資機会を提供し、手数料は両社で折半することになっていた。
両社の関係は2016年にはすでにひびが入り、顧客は成績の悪さに不平をもらし、シティのバンカーはシルバーファーンに不信感を抱き始めた。
シルバーファーンとその弁護士にコメントを求めたが、いずれからも返信はない。
シティのウェルスユニット立て直しを率いるアンディ・シーグ氏が目指すのは、さらなる投資マネーだ。
シルバーファーンとの提携は、PE黄金時代にそうした資金を活用しようとした初期の試みだった。
シティは欧州やメキシコの富豪一族、香港のヘッジファンド運営会社、イスラエルのハイテク起業家など、厳選された富裕顧客39人をクラブに入会させ、4億7000万ドル(約700億円)のコミットメントを取り付けた。
この手法だと銀行が得るのは最初の紹介料だけだ。
創業者クライブ・ホームズ、リータ・ホームズ夫妻のプレゼンテーションは説得力があるとシティ内で広く評価された。
しかし常にディールのスポンサーから配分達成の圧力を受けるシルバーファーンは、これでは納得がいかなかった。
シルバーファーンが顧客に提供した投資に含まれていた石油・ガス部門の案件は、その後の成績が芳しくなく、クラブメンバーは希薄化を回避するための追加投資を求められた。
バンカーらは顧客に対して何度も、取引について同行は意見を述べる立場にないと念を押していたことが電子メールに残されている。
拘束力のないコミットメントの半分にも届かず、なかにはまったく手を引いてしまったクラブメンバーも複数いた。
一方のシルバーファーンはシティと合意した条件に基づき、ファンドに近い別の投資プランにクラブメンバーを勧誘し始めた。
シルバーファーンからシティへの手数料支払いがストップしたのは2018年終盤。
シルバーファーンはシティに900万ドルを支払う義務があるとの判断が下った。
シティの誤算、会員制PE投資に富裕層メンバー不満-訴訟と教訓残す
記事を要約すると以下のとおり。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース シティの誤算、会員制PE投資に富裕層メンバー不満-訴訟と教訓残す