米議会の共和党議員は今週、これまでで最も困難な試練に挑む。トランプ米大統領に立法的な勝利をもたらすための大規模な税制法案パッケージの交渉だ。
議会では今月半ばの政府機関閉鎖を回避しようと努める間、トランプ政権1期目の2017年に成立した画期的な減税措置の延長および追加減税を実現する取り組みは一時的に見送られていた。
ベッセント米財務長官とハセット米国家経済会議(NEC)委員長は25日、上下両院の共和党指導部および主要な税制担当議員と会談する。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。減税の規模や財源確保の方法を巡る意見相違の解消を目指すという。
トランプ米大統領(大統領執務室で21日)
Photographer: Yuri Gripas/Abaca/Bloomberg 共和党は数兆ドル規模の減税を目指す取り組みに注力することが可能だとはいえ、上下両院でともに僅差の多数派にとどまっており、困難な意思決定とほぼ全員一致の支持が必要になる。
同党はなおもパッケージの全体的な規模や盛り込む税制の要素、そのコストを補填(ほてん)するのか、またはどのように補うのかなどについて合意しなければならない。コストの補填方法あるいは必要性そのものを巡っては特に議論を呼んでおり、財政規律を重視する「財政タカ派」の議員と、減税を求める議員との間で対立が生じる見通しだ。
共和党が法案に取り組む中で直面する主な課題は以下の通り;
法案の全体的なコストは
上院でまず法案の全体的な規模が決定される。
下院共和党は先に可決した税制の青写真となる法案で、4兆5000億ドル(約680兆円)の減税と2兆ドルの歳出削減で合意している。だが、このどちらの数字も問題含みだ。共和党は4兆5000億ドルをはるかに上回る減税を目指している。また10年間で2兆ドルの連邦予算削減を実現するには、メディケイド(低所得者向け医療保険制度)といった有権者の支持が高いプログラムの削減も含まれる可能性があり、政治的に打撃となり得る。
減税総額の拡大も、歳出削減目標の縮小も、財政赤字を重視する財政タカ派の反発を招く恐れがある。税制協議で進展するには、上下両院が最終的に全体の規模に関して合意する必要がある。
下院共和党の指導部は24日の共同声明で上院に対し、下院のアプローチをできるだけ早く受け入れるよう求めた。議会や経済界では、進展の遅れに対するいら立ちが募っている。
コストを賄う手段は
共和党はこの費用を補うために創造的な手法を模索している。
党内の一部勢力は歳出削減を強く要求しているが、予算の削減だけでは彼らが求める減税を全て補填することはできない。
共和党が協議している少数の補填手段は、ヘッジファンド運用者に適用されるキャリードインタレスト(成功報酬)の税優遇措置廃止、大学基金への課税拡大、法人が控除できる州税・地方税(SALT)額の制限などだ。
資産家イーロン・マスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」によるコスト削減の一部を、財源に組み込む可能性もある。一部の保守派はバイデン前大統領が署名した再生可能エネルギー関連の税優遇措置の撤廃を求めている。
しかし、これら全てを合わせたとしても、法案全体のコストのほんの一部にしかならないだろう。
中道右派のシンクタンク、タックス・ファウンデーションのエリカ・ヨーク氏は、法案のコストを賄う好ましい手段を見いだすのが難しいため、予算の大枠に関する上院の取り組みが行き詰まり、法案の審議は秋にずれ込む可能性がある」と指摘した。
原題:
Trump’s Tax Bill Takes Center Stage as GOP Debates Scope of Cuts(抜粋)






