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レバレッジ1万1000倍の取引でウォール街に大打撃-教訓生かせず

記事を要約すると以下のとおり。

世界が新型コロナウイルスの感染拡大に不安を募らせていた2020年2月20日、1人のトレーダーが大勝負をしようと、ウォール街の銀行に連絡を取り始めた。
 このポジションはラルフ氏の運用会社ブラックブルック・アセット・マネジメントの純資産規模の1万1000倍に相当した。
 破綻に至るまでには警告サインが数多くあった。
 ブラックブルックの破綻は当時ほとんど注目されなかったが、ウォール街の銀行が高リスクの取引相手と関わる際にいかに危うい綱渡りをしているかを示している。
 ラルフ氏(48)に何回かコメントを求めたが応答は得られていない。
 この一連の取引については、ロンドンの法廷で審理される見通しだ。
 ブルームバーグ・ニュースは今回の報道のため、ロンドン高等法院に法的主張や証拠書類、当時のメッセージ記録などの開示を申請した。
その後の2週間、ラルフ氏が巨額の損失を被ったと主張している。
 シティの広報担当者は「20年に速やかに対応し、影響を最小限に抑えた」と電子メールでコメントした。
 このほか、バンク・オブ・モントリオール、ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ、ウェルズ・ファーゴの3行は合わせて約5800万ドルの損失を被った。
20年の早い時期に米国債を売却する契約を結んでいたことを文書は示している。
 一方、ラルフ氏が行ったようなネイキッドショートでは、実際には債券を市場で購入し、銀行に売却する契約を結ぶ。
 ロンドンの金融コンサルティング会社ヘッジ・アナリティクスを率いるメイリック・チャップマン氏は「ブラックブルックの資本規模は小さく、リスクにさらされていた金額とまったくつり合っていないように見える」と述べ、「デューデリジェンス(資産査定)が滑稽なほど欠如していたようだと指摘した。
   文書によると、20年2月20日にシティとの最初の取引を行ってからわずか3日で、ラルフ氏の取引総額は約6億ドルに達していた。
それでもラルフ氏はさらに取引を積み増していった。
 MUFGのロンドン拠点では、ブラックブルックが米国債を期限までに引き渡せなかったため、従業員の間で不安が広がった。
 ロンドンのベイズ・ビジネス・スクールで金融を教える上級講師アンジェラ・ガロ氏は、高リスクのトレーディング企業がウォール街の貸し手にもたらす脅威を浮き彫りにしたと指摘する。
MUFGを含む複数の銀行が、総額100億ドル超の損失を被ることになった。
原題:TraderBurnedWallStreetWithBondBetLeveraged11,000-to-1(1)(抜粋)—取材協力RthvikaSuvarna,GregRitchieandLowDeWei。

[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース レバレッジ1万1000倍の取引でウォール街に大打撃-教訓生かせず

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