米国債相場の下落を見込んだ賭けが目立ち始めた。米金融当局の利下げがより緩やかなペースになると、債券トレーダーは想定している。
4日発表された9月の
雇用統計が堅調な内容だったことを受け、債券トレーダーは担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動する複数の先物契約でロングポジション解消を進めている。これは、年内から2025年初めにかけて大幅利下げが相次ぐことを想定した強気な賭けが
巻き戻されていることを示唆するものだ。
同時にショートポジションも浮上し始めた。JPモルガン・チェースの米国債顧客調査によると、現物市場でアウトライトのショートポジションは2023年2月以来最大に達した。
シティグループのストラテジスト、デービッド・ビーバー氏は「今週のインフレ統計発表を前に、新たなショートリスクに需要がある」と8日のリポートで指摘した。
先物市場でトレーダーが保有するポジション規模を示す未決済建玉は雇用統計発表以降、SOFR先物全体で急減。8日発表されたCMEグループのデータによると、2024年12月限ではこの2日間のポジション減少が、リスク1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)当たり560万ドル(約8億3000万円)相当の約22万3000枚に達した。
この間に同先物契約は大きく売り込まれた。トレーダーが年内の金融政策道筋に関する想定を、より小刻みな緩和に修正する中で、強気な賭けが解消されたことがうかがえる。
10日の米消費者物価指数(CPI)発表に先立ち、新たなショートポジションが構築されつつある。CPIの結果次第では、金融政策を巡るトレーダーの賭け転換がさらに進むことも考えられる。9月のCPIは一段の鈍化が見込まれているが、より強い数字となればショートポジションへの移行拡大を後押しする可能性がある。
足元の金利スワップ市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)による11月7日の政策決定について約21bpの政策金利引き下げ、年内2回の会合で計50bpの利下げが織り込まれている。雇用統計発表前には、計66bpの利下げが想定されていた。
現物市場でもロングポジションが消えつつある。最新のJPモルガン米国債顧客調査によると、先週は23年4月以来となるネットショートになった。
JPMorgan Treasury All-Client Positioning Survey
Clients are net short for first time since April 2023
Source: JPMorgan, Bloomberg
Data covers week up to Sept. 30
一方、SOFRオプション市場では、雇用統計発表以降に構築された新規ポジションは、11月に0.25ポイントの小幅利下げ、12月に据え置きとなった場合に対するヘッジに傾いている。
Most Active SOFR Option Strikes
Top 5 versus bottom 5 weekly net change on SOFR option strikes
Source: Bloomberg, CME
Data covers open interest change across strikes over the past week
SOFR Options Open Interest
Top 20 outstanding SOFR option positions in Dec24, Mar25 and Jun25 tenors
Source: Bloomberg, CME
原題:
Short Treasury Bets Emerge as Big Rate Cut Expectations Vanish(抜粋)
(8段落目以降にスワップ市場の動向などを追加して更新します)






