米短期資金市場の先行きを巡り、ウォール街ストラテジストの見方が分かれている。最近、翌日物金利のボラティリティー(変動性)が高まっており、今後数カ月に資金調達コストが低下するかが焦点だ。
超短期金利を押し上げている要因は複数ある。米財務省が現金残高を積み増すため短期債発行を拡大しているほか、 米連邦準備制度がバランスシート圧縮を進めている。さらに、資金調達市場で過剰流動性の指標とされてきた翌日物リバースレポ(RRP)ファシリティーの利用が、ゼロ近辺まで落ち込んでいる。
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こうした圧力を受け、投資家は資金調達コストが急上昇しないか警戒している。特に、担保付翌日物調達金利(SOFR)が今後さらに上昇する可能性が意識されており、今後の資金コスト低下の有無で見方が分かれている。もっとも、SOFRがフェデラルファンド(FF)金利を上回る状況は、8月下旬から続いている。
JPモルガン・チェースと
シティグループは12日、正反対の取引を推奨した。資金調達コストの上昇リスクを市場は過度に判断しているとJPモルガンが指摘する一方、シティは2025年末まで高止まりが続くとみている。
テレサ・ホー氏率いるJPモルガンのチームは翌日物金利が年内に低下すると予想。SOFR先物12月限を買い、同等のFF金利先物を売るスプレッド取引を推奨した。現在、SOFRは4.42%、30日物FF金利は4.33%だが、12月にはこのギャップが縮小すると見込む。12月限の先物市場ではこのスプレッドが現時点でマイナス7.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)付近にある。
同行によると、準備預金は逼迫(ひっぱく)しておらず、適格金融機関が米国債や政府機関債を担保に資金を借り入れられる常設レポファシリティー(SRF)が、流動性を下支えする重要な安全網になる。今年の連邦債務上限引き上げに伴う短期国債の大量発行ペースも今後は減速すると見込む。
ホー氏はリポートで「最近のSOFR上昇が差し迫った流動性危機を反映しているとはみていない。銀行は合理的と判断すれば準備預金を活用する用意がある」と記した。
一方、ジェイソン・ウィリアムズ氏らシティのチームは年末まで資金調達コストは高止まりすると予想し、SOFR先物12月限を売り、FF金利先物を買うよう推奨した。シティは安定した局面でもSOFRがFF金利を4-5bp上回るとみており、公正な水準はマイナス10bp程度と試算する。
同氏はリポートで「今後数カ月はSOFRがじりじり上昇すると予想する。財務省は10月に財務省短期証券(Tビル)の入札規模を拡大する見通しで、準備預金の減少は続くだろう」と指摘した。
それでもJPモルガンとシティはある点で一致している。2019年9月のように資金調達コストが急上昇し、FRBが膨大な資金を市場に供給するような事態は起こらないと考えている。
原題:
JPMorgan, Citi Clash on Year-End US Funding Market Outlooks (1)(抜粋)






