日本の6月の輸出は市場予想に反して2カ月連続のマイナスとなった。関税措置が導入された米国向けは自動車を中心に3カ月連続の減少。市場では2四半期連続で経済が縮小するテクニカル・リセッション(景気後退)に入るとの見方が出ている。
財務省の17日の発表によると、輸出は前年同月比0.5%減。市場予想は0.5%増だった。自動車や鉄鋼、非鉄金属が減少した。
地域別では米国向け輸出が11.4%減少と、2021年2月(14.0%減)以来の大きな落ち込み。自動車が26.7%減、医薬品が40.9%減、自動車部品が15.5%減った。対米輸出の約3分の1を占める自動車と自動車部品には25%の関税が賦課されている。
米国による関税措置で貿易には下押し圧力が続く。物価高の影響で個人消費が力強さを欠き、輸出の減少も重なった日本経済は、1-3月期に4四半期ぶりのマイナス成長に転換。5月の景気動向指数では、基調判断が4年10カ月ぶりに景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に引き下げられた。経済全体の停滞感が強まる中、輸出が失速すれば景気後退のリスクが一段と高まる可能性がある。
農林中金総合研究所の南武志理事研究員は、米国向け輸出は特に自動車の下落が大きいと指摘。自動車は金額が下がる一方で数量は増えており、「自動車メーカーは利益を圧迫する形でコストをカットし、関税の影響を吸収している形になっている」と分析した。その上で、4-6月の国内総生産(GDP)は小幅ながらマイナス成長を予想。トランプ米大統領の発言も揺れているため、今後も不透明感は続くと語った。
世界の貿易環境はトランプ米政権が進める関税政策で大きな不確実性に直面している。これまでのところ、米国と日本を含む多くの国との交渉は難航しており、合意に至るのは容易ではない状況だ。
トランプ大統領は7日、日本からの輸入品に25%の関税を8月1日から賦課すると発表。新たな期限に向けて日本政府は合意の可能性を模索するが、16日にトランプ氏は、日本に対する関税は発表通り発動することになるとの認識を示した。
6月の欧州連合(EU)向け輸出は前年比3.6%増と2カ月連続の増加。アジア向けは1.7%増と19カ月連続のプラスだった。一方、対中国は4.7%減と4カ月連続のマイナス。非鉄金属や半導体等製造装置、自動車が減少した。
輸入は0.2%増(市場予想1.1%減)。医薬品や通信機、半導体等電子部品が増えた。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、1531億円の黒字と3カ月ぶりのプラス。ドル・円の平均値は1ドル=144.04円と前年比8%の円高だった。
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(詳細とエコノミストコメント、チャートを追加して更新しました)
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