ドルは週間ベースで2022年以来の好パフォーマンスとなった。中東の地政学的不安や米経済の底堅さ、米国以外の国・地域での利下げ見通しがドル上昇を促した。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は4日までの週に1.6%上昇し、22年9月以来の大幅高となった。当時はまだインフレ抑制に向けて米金融当局が過去数十年ぶりの積極的な引き締めキャンペーンを推進しているさなかだった。
対ドルで売られたのは、おおむね米国の金利を下回ると見込まれている他国・地域のG10通貨で、円は4.4%下落して09年以来最低のパフォーマンスとなった。
依然として高水準にある政策金利を米金融当局がどの程度巻き戻すかが、ドル相場の今後の動きを左右することになる。
Bloomberg Dollar Gauge Is Having Best Week in Two Years
Greenback adds to week's gains after hot September jobs report
Source: Bloomberg
9月の
米雇用統計で健全な労働力需要が示され、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合を巡り、トレーダーの間で大幅利下げ観測が後退し、ドルは4日の外国為替市場で5営業日続伸した。
「本塁打」級の米雇用統計、FRBの肩の荷軽減-労働市場の懸念後退
ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、アループ・チャタジー氏は「米金融当局について、過去数カ月は他国・地域の中央銀行の場合よりも一段と積極的な利下げが織り込まれてきた」とした上で、「労働市場が予想よりも底堅いことを示す兆候は、積極的な米利下げ観測の後退につながるだろう」と指摘した。
金利スワップ市場でトレーダーが現時点で織り込む年内利下げ幅は計50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度と、3日時点の60bp強から圧縮されている。
エラリアン氏が警告、「インフレは死んでいない」-米雇用統計好調で
米国以外の国・地域の中銀が緩和策を維持したり米国よりも速いペースで利下げしたりするとの予想がドルの魅力を一層高めている。イングランド銀行(英中銀)のベイリー総裁は一段と「積極的」な利下げの可能性を
示唆した。
日本では、石破茂首相が2日、日本銀行の植田和男総裁との会談後に「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と
語ったことで、円が売られた。4日までの週で円はG10通貨で最悪のパフォーマンスとなり、ニュージーランド・ドルがそれに続いた。
中東の紛争を背景に、ドルを中心とした逃避資産に安全を求める動きが投資家の間に広がった面もある。ただ、さらなる米利下げ観測を受けて、ドルは7-9月(第3四半期)に四半期ベースで今年最悪のパフォーマンスを記録したばかりだ。
ドル相場にとって次に重要となるのは10日に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)だ。
一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データでは、ドル弱気派には完全に敗北を認める用意はないことが示された。ヘッジファンドや資産運用会社などの投機筋を含む非商業部門は1日までの週にドルのショートポジションを136億ドル(約2兆220億円)と、前週の約148億ドルから減らした。
ソシエテ・ジェネラルのチーフ為替ストラテジスト、キット・ジャックス氏らはリポートで、「近年のドル上昇の規模や一層の米利下げ見通しなどを踏まえれば、主なトレンドは下落となりそうだが、直線的でないのは確かだ」とコメントした。
原題:
Dollar’s Best Week in Two Years Sends Currency Peers Tumbling(抜粋)








