30日の日本市場で円は一時1ドル=147円台まで上昇した。米国長期金利の低下を受けドル売り・円買いが入ったほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた持ち高調整や企業からの実需のドル売りが指摘された。債券は中期債が上昇し、株式は東証株価指数(TOPIX)が4営業日ぶりに反発。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、ドル・円は米長期金利が前日に大幅低下したことを受けたドル売りに加え、米国と欧州連合(EU)の関税合意で一昨日から上昇してきた反動も出ていると見ていた。「企業の実需のドル売り・円買いもあったようだ」と言う。
カムチャツカ半島沖で発生した地震の影響で、太平洋沿岸部に津波警報が出された。大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、円の上昇に地震が若干影響したかもしれないが、時間外でドル指数が下げている影響もあるだろうと指摘。日本時間31日未明に結果が発表されるFOMCを控え、「いろいろと思惑が交錯しているだけではないか」と話した。
為替・株式・債券相場の動き
円は対ドルでニューヨーク終値比0.4%高の147円90銭-午後3時40分現在一時147円85銭まで上昇
長期国債先物9月物の終値は8銭高の137円98銭
新発5年国債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い1.09%
10年債利回りは横ばいの1.555%
TOPIXの終値は前日比0.4%高の2920.18
日経平均株価は0.05%安の4万0654円70銭
為替
円は一時1ドル=147円台に上昇した。SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は「FOMC結果を見極めるまでは動きづらく、ドル・円が下を攻めて147円台半ばまで下げるようなエネルギーや材料はない」との見方を示した。
FOMCでは政策金利の据え置きを決めるとの見方が市場で大勢を占めている。メンバーの1人ないし2人が据え置きに反対票を投じる可能性があり、その場合は当局者の一部が早期の利下げを支持していることを裏付けることになる。上田氏は「反対票が1票にとどまるなら、ドルは下がらない可能性がある」と述べた。
みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは、ドル・円はFOMCを控えて下げたところでは買い戻し、上がったところでは売り戻しと微妙なポジション調整を行っていると分析。カムチャツカ半島沖での地震の影響で津波警報が発出されたことも、やや円買いにつながったと見ていた。
株式
東京株式相場は本格化する企業決算や日米の金融政策を見極めたいとのムードが強く、TOPIXは反発する一方、日経平均は小幅に続落と相場全体は明確な方向感を欠いた。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネジャーは、あすの日本銀行の金融政策決定を控え投資家は慎重で、国内の政治情勢が不透明なことも判断を難しくさせていると話した。
業種別では米コーニングの好決算で人工知能(AI)向け需要への期待が広がったフジクラや古河電気工業など電線株を含む非鉄金属が大幅高。陸運や食料品などディフェンシブセクターも堅調。半面、円高推移を受け自動車がさえず、津波を材料に空運も安い。
関連記事:電線株が高い、米コーニング決算が強いAI需要示す-フジクラ最高値
個別では電線などAI・データセンター関連のほか、三菱重工業など防衛関連も上げが顕著。富国生命保険の野崎誠一有価証券部長は、前日まで相場全体が下げていたことを受け、「個人投資家などがテーマ性の強い銘柄に押し目買いを入れている」と指摘した。
債券
債券相場は中期債が上昇。7年債入札の好調を材料に米長期金利が低下した流れを引き継ぎ、買いが優勢だった。長期債は横ばいで、超長期債は前日売られた流れが続いた。太平洋側に津波警報が出ていることに対しての反応は限定的だった。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、FOMCや日銀の金融政策決定会合を控え、「買い一巡後は様子見ムード」と指摘した。超長期債は「参院選後に石破茂首相の退陣観測でいったん売られた後は落ち着いているが、退陣する流れになれば再び売られるだろう」とみている。
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債
5年債
10年債
20年債
30年債
40年債
0.825%
1.090%
1.555%
2.535%
3.075%
不成立
前日比
-0.5bp
-1.0bp
横ばい
+0.5bp
+2.5bp
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この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。







