シャネル一族のファミリーオフィス、元ゴールドマンの38歳が後継候補

強力な一族のつながり、アイビーリーグの学位、そしてウォール街での実務経験。
アーサー・ハイルブロン氏Photographer:CarlyStone/BFA.com　　登記記録によると、ハイルブロン氏が、一段と頭角を現しつつある証しと言える。
シャルル氏は2019年、ムースのディレクターとして加わり、数年後にマネジングディレクターに昇進した。
現在はもう1人のマネジングディレクター、ポール・ユン氏と共に、プライベートエクイティー（ＰＥ、未公開株）とベンチャー投資の共同責任者を務めている。
　ブルームバーグ・ビリオネア指数の算定によれば、非上場のシャネルの持ち株を等分して所有しているとされるベルテメール兄弟の純資産は、長く自らの富を公の目から遠ざけてきた一族の後継計画の一端を示している。
ジェラール氏の息子ダヴィド氏は、ＰＥ事業に携わっているものの、2人の相続人の他の子供たちが、ムースに関与している様子はうかがえない。
　シャネルの最終持ち株会社は、ケイマン諸島に拠点を置くベルテメール一族のムース・インベストメンツで、財務諸表を開示していない。
　これまでに同社は、メンタルヘルスやバイオ技術、食品会社など幅広いスタートアップを支援してきた。
ハイルブロン氏と父シャルル氏は、この「ビリオネアズ・ロウ」と呼ばれる地域にある拠点を勤務先として記載しており、アラン・ベルテメール氏も長年オフィスを構えている。
　ジェラール・ベルテメール氏は01年にこう語った。