8月の米民間雇用者数は予想を下回り、労働者需要の減退を示す他の指標と整合する内容となった。
キーポイント
米民間雇用者数は5万4000人増
エコノミスト予想中央値は6万8000人増
7月は10万6000人増(速報値10万4000人増)に上方修正
ADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同で算出
ADP統計は、
求人件数の減少や賃金上昇の鈍化といった最近の指標と一致しており、労働市場が徐々に減速しつつある実態を裏付けている。ここ数カ月は雇用の伸びが大きく鈍化しており、失業者が新たな職を見つけるまでの期間も長引いている。
ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は発表文で「年初は力強く雇用が拡大したものの、その勢いは不透明感によって大きく揺らいでいる」と指摘した。
5日に発表される8月の雇用統計は、米連邦準備理事会(FRB)や投資家の注目を集めている。前回の統計では、ここ数カ月の雇用が大幅に
下方修正された。8月の非農業部門雇用者数は7万5000人増、失業率は小幅な上昇が予想されている。
労働市場のさらなる減速
懸念を背景に、連邦公開市場委員会(FOMC)は今月の会合で政策金利を0.25ポイント引き下げるとの見方が強まっている。ADPのデータ発表後も市場では利下げ観測が維持され、株価指数先物や米国債は上昇を維持した。
賃金の伸び
賃金の伸びは前月からほぼ変わらずとなった。転職した労働者の賃金は前年同月比で7.1%上昇した一方、同じ職にとどまった労働者は4.4%増にとどまった。ADPの分析は、民間部門2500万人超の給与データを基にしている。
雇用の増加は、娯楽・ホスピタリティー業界がけん引したほか、建設業やビジネスサービス業でも人員が増えた。一方、貿易や教育・医療、製造業では減少した。企業規模や地域を問わず、全米で雇用が増加した。
ADPは月ごとに民間雇用データを公表しているが、その週次ベースのデータはFRBも注視している。ウォラーFRB理事は先週の講演で、7月の雇用統計の調査対象期間後、数週間にわたりADPの速報値が雇用の「継続的な悪化」を示していたと述べた。
再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが4日発表した別の調査では、8月の採用計画が同月として過去最低の水準に落ち込み、予定される人員削減は増加した。新規失業保険申請件数は先週、6月以来の高水準に増加した。
関連記事:
米失業保険申請、6月以来の高水準に増加-労働市場の減速映す (2)
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:
US Firms Add 54,000 Jobs in ADP Data, Less Than Forecast(抜粋)
(第4-5段落と最終2段落を加え、更新します)






