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プライベートエクイティー投資会社、日本に照準-未開拓市場に機会

記事を要約すると以下のとおり。

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日本のプライベートエクイティー(PE)投資会社サンライズ・キャピタルの社長、清塚恵氏は昨年、新ファンドの資金調達を開始した。当初の目標は5億ドル(約760億円)だったが、売り込みに行く前から海外の投資家が、最大20億ドルを拠出する用意があると伝えてきた。
  清塚氏は最終的に調達額を当初目標の5億ドルにとどめたが、それでも十分な投資資金となる。12年前の状況とは様変わりだ。当時、清塚氏は前ファンドのために世界中を回り、200人の投資家に何度も面会してようやく約2億ドルを2社からかき集めた。
  「かつては日本が非効率だという理由で日本への投資を断られたが、今では皆が日本は非効率だからこそ好ましいと言われる」と清塚氏は語った。「同じ理由が、断る理由にも投資の根拠にもなり得る」と納得した。

  世界の大口投資家にとって、以前は
投資困難とみられていた日本企業が今では格好の投資対象になりつつある。ファンドが買収して明確な改善策を講じれば、数年後には別のオーナーに売却するか新規株式公開(IPO)によって利益を得られる可能性が高い。

  米国ではこのモデルが長らく機能してきたが、近年は金利上昇、売却市場の低迷、取得価格の上昇がリターンを圧迫している。これに対し、日本は円安も追い風となり、新たな投資先を探す余地が大きい市場と映っている。
  デロイトの
データによると、2025年これまでに日本で成立したPE取引は192件で、24年通年の292件に続くペースとなっている。
   ベイン・アンド・カンパニーの日本拠点でパートナーを務める大和梓氏は「日本はリターンの観点から根本的に非常に魅力的な市場だ」と語る。10-24年の間、日本のPE案件は円下落を考慮に入れても世界で最も高い収益を上げた。ドル換算では投下資本に対し2.4倍のリターンを実現し、米国の2.3倍をわずかに上回った。
  世界第4位の経済規模を持つ日本には、約4000社の上場企業が存在する。多くは豊富な現金を抱える複合企業で、合理化や売却の余地のある事業部門を抱えていたり、値上げやコスト削減に向けた交渉を長く避けていたりする。

  他の市場では金融環境が依然として厳しい一方で、日本の銀行は積極的に融資に応じている。
  PE投資の収益を支える重要な要素の一つは、ファンドが負債を活用して投資を行い、その債務が買収先企業のバランスシートに計上される仕組みにある。
  日本でのレバレッジドバイアウト(LBO)資金の調達コストは3-4%で、米国の8-9%に比べて低い。さらに、日本企業は負債水準が比較的低いため、新しいオーナーが借り入れによってリターンを高めやすい環境となっている。

ブルームバーグ・マーケッツ誌(10・11月号)
Photographer: Ben Weller for Bloomberg Markets  
KKR日本法人のパートナー兼PE部門責任者、谷田川英治氏は「日本はPEの歴史において、まだ非常に初期の段階にある。この業務の進化にはまだ長い道のりがある」と語る。
  日本はKKRにとって、米国外で最重要市場となっている。代表的な取引としてKKRは17年に日立製作所から現・
コクサイEを約2570億円で買収した。その後、非中核事業を売却して半導体製造に集中させ、研究開発や人材採用に投資し、23年には評価額約4240億円で株式を公開した。
  KKRは例外ではない。ベインキャピタルは今年、日本で総額100億ドル超の取引を発表している。夏には2週間の間にブラックストーンとスウェーデンの
EQTがいずれも約30億ドルの規模で上場企業を非公開化する取引を明らかにした。
  さらに、米ウォーバーグ・ピンカスやシンガポールのヒルハウス・インベストメント・マネジメントも最近、日本向けに新たな幹部を迎え入れ、現地オフィスの開設を計画している。
期待先行
  PE投資のビジネスモデルには、世界各地で批判もある。資産売却や現金還元による新オーナーへの利益提供は、長期的には企業を弱体化させる可能性があるためだ。

  オックスフォード大学のサイード・ビジネス・スクールのルドヴィック・ファリポウ教授(金融・経済学)は「日本のように、企業が歴史的に利益最大化を重視してこなかった経済においては、PE会社による買収がその意識を高めるのに役立つ場合があるのは理解できる」と話す。
  ただ「リターンを高める圧力がコスト削減や、必ずしも顧客や従業員に利益をもたらさない戦略につながることもある。しかし、PEファンドの運用者はそのいずれの場合でも、高額な手数料を得る」とも指摘する。
  近年の日本におけるPEの最大の汚点は、マレリホールディングスだ。19年にKKRが日本とイタリアで保有していた自動車部品会社を統合して設立した同社は、新型コロナウイルス流行と自動車業界の混乱により経営が悪化。
  日本で裁判所主導の再建を申請し、米国でも連邦破産法11条の適用を申請した。KKRは20億ドルの損失を被り、その後6億5000万ドルを追加投入して同社を黒字に戻した。
  KKR日本法人の谷田川氏は「非常に難しい状況で、われわれや銀行にとって厳しい結果だった。可能な限りの対応を尽くしたと考えている」と述べた。
  日本では長らく、PEファンドはハゲタカと呼ばれ、買収先候補とする企業との面会さえ難しいこともあった。だが今は状況が変わり、より好意的に迎えられるようになっている。
  後継者問題を抱える中小の同族経営企業にとって、売却は選択肢になりやすい。さらに一連のコーポレートガバナンス(企業統治)改革により、上場企業は株主への利益還元につながる取引を真剣に検討するよう促されている。
  東京証券取引所は上場企業に対し、時価総額を純資産価値を上回る水準に株価を引き上げるよう求めている。また新たな政府指針は、上場企業に対して買収提案を真剣に検討することを要請している。

  アクティビスト(物言う株主)のヘッジファンドは日本市場に殺到し、中小メーカーから
日産自動車のような老舗企業に至るまで幅広く株式を取得し、変革を迫っている。こうした動きを受け、多くの企業が株価引き上げのために周辺事業を売却することに前向きになったり、非公開化の取引に応じたりしている。
  一方で、日本のPE業界が成熟するにつれ、課題も見え始めている。最も明らかな買収対象が一巡すれば、次の案件で同様のリターンを確保するのは難しくなる可能性がある。
  加えて、日本では投資回収に時間がかかる。ベイン・アンド・カンパニーによると、18-20年に成立した案件で5年以内に売却やIPOに至ったのは44%にとどまり、15-17年の54%から低下している。
  ベインの大和氏は「案件の機会や供給は進化しているが、資金調達のペースの方がさらに速い。資金を集めた一部のファンドは、それを使い切るのに苦労している」と指摘する。これは買収価格の高騰につながりかねない。
  ゴールドマン・サックス証券の投資銀行部門共同部門長である高鍋鉄兵氏によれば、買収資金の不足を埋める手段であるメザニンファイナンスに関する問い合わせが増えている。これは企業価値の上昇が想定以上の速さで進んでいる兆しとみられる。
  過剰な資金流入が案件不足から価格上昇につながる状況は、市場の期待と実際の投資機会との間にギャップが生じていることを浮き彫りにする。
  ブラックストーン日本法人の坂本篤彦代表取締役によると、取引の勢いはなお高まりつつある。坂本氏は「ブームはまだ期待先行で、現実は熱狂に追いついていない」と述べ、「これから数年が非常に楽しみだ」と付け加えた。 
(原文は「ブルームバーグ・マーケッツ誌」に掲載)

原題:
Japan’s Private Equity Deals Are Booming as Funds Seek Bargains (2)  (抜粋)

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[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース プライベートエクイティー投資会社、日本に照準-未開拓市場に機会

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