イングランド銀行(英中央銀行)は、1兆7000億ドル(約258兆円)規模に膨らんだプライベートクレジット市場について、サブプライム債危機との類似点を警告した。英当局はこの市場をストレステスト(健全性審査)の対象とする方針を確認した。
ベイリー総裁は21日、英議会の委員会で、この分野で「警鐘」が鳴っていると述べリスクを強調した。ベイリー氏によると、業界関係者との対話では「全て順調」との説明を受けたという。これは約20年前のサブプライム債の証券化をめぐる混乱を想起させる発言だ。
ベイリー氏は上院の金融サービス規制委員会の公聴会で、サブプライム危機再来に言及し「金融危機の前後に関与していた人であれば、この段階で警鐘が鳴り始めるはずだ」と語った。
ベイリー総裁
Photographer: Samuel Corum/Bloomberg ブリーデン副総裁(金融安定担当)も、不透明性や高いレバレッジ、銀行との結び付きなどをリスク要因として指摘した。
最近のファースト・ブランズとトライカラー・ホールディングスの破綻を受けて、プライベートクレジット分野や、より広範なレバレッジドクレジット市場で生じた問題が、銀行や実体経済に急速に波及する可能性があるとの懸念が強まっている。
プライベートクレジット業界の経営者らは、問題は銀行が主導した融資案件にあったもので、プライベートクレジット台頭の結果としてリスクが拡大しているわけではないと主張している。
それでもベイリー氏は、ファースト・ブランズのような事例が「炭鉱のカナリア」なのかどうかの答えはまだ「出ていない」と述べた。
ベイリー氏とブリーデン氏は、中央銀行が「広範なプライベートクレジット市場の脆弱(ぜいじゃく)性を探るための全システム的ストレステスト(SWES=system-wide exploratory scenario)実施を企業と協議している」というブルームバーグ・ニュースの報道を認めた。
今年のストレステストは、英国の中核的金融市場のリスクを評価した前年のSWESと同様の手法を用いる見通しだ。
ブリーデン氏は「世界金融危機(GFC)との類似点が見て取れる」と述べた上で、「その問題がマクロ経済的にどの程度重要なのかはまだ分からない」と語った。
原題:
BOE’s Bailey Warns ‘Alarm Bells’ Ringing in Private Credit(抜粋)
— 取材協力 Meg Short, Silas Brown and Philip Aldrick







