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ブラックストーン、改革に挑む-PEの巨人から投資の「メガストア」へ

記事を要約すると以下のとおり。

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かつて世界の超富裕層や機関投資家の「とりで」だった米ブラックストーンは、ジョン・グレイ社長の下で、一般層の投資家にも開かれた金融の「メガストア」へと生まれ変わりつつある。
  創業者で最高経営責任者(CEO)のスティーブ・シュワルツマン氏(78)が日々の経営から距離を置く中、後継者であるグレイ氏(55)は、ブランド刷新と大衆への訴求を軸とした変革を主導している。

ジョン・グレイ氏
Photographer: Yuvraj Khanna/Bloomberg  グレイ氏は長年にわたり、ハイリスクな大型案件の追求にとどまらず、より幅広い投資家層に合わせた安定した利回りの創出を幹部に求めてきた。

   この目的に向けて、同氏は資産の約15%が一定の範囲で資金の出入りが可能なファンドに配分されるように事業を再編した。資金を長期間固定する従来のモデルからの抜本的な転換だった。
  だが、この戦略には課題もある。好況期には流入資金を割高な資産に投資せざるを得ず、リターンが圧迫される。逆に不況期には投資家の資金流出が加速する可能性がある。
  さらに、機関投資家の間では、新しい投資家が増えるほど、有望案件からの自分たちへの利益分配が減るとの懸念も広がっている。
  ブラックストーンの運用資産の1兆ドル(約155兆円)を占める機関投資家と保険会社へのリターン提供は、依然として同社の事業の柱であり、グレイ氏の課題は明確だ。
  ブランドを希薄化させず、伝統的な顧客である機関投資家も失うことなく、どこまで裾野を広げられるか。

  米国の伝統的年金が伸び悩む中で、アポロ・グローバル・マネジメントやKKR、カーライル・グループといったプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資大手も、相次いで個人投資家の獲得に乗り出している。
BREITの成功
  株式と債券の組み合わせが慎重な投資先とされてきた従来の常識を覆そうと、業界はプライベート市場の魅力は、より高い手数料や透明性の低さ、換金制限に見合う価値があるとアピールしている。
  個人向けへの進出は、大口投資家にも恩恵をもたらすとグレイ氏は主張する。「経験と取引の幅を広げることで、全ての顧客により高いリターンをもたらせると信じている」と同氏は話した。

ニューヨーク証券取引所でブラックストーンの40周年を祝うジョン・グレイ氏とスティーブ・シュワルツマン氏(11月10日)
Photographer: Kathleen Kennedy/ Blackstone Inc.  2008年の金融危機を経て、グレイ氏は不動産部門を率い、商業用不動産市場の回復にチャンスを見いだし、空きビルや破綻企業を安く買うよりも、安定した資産に高値で投資するほうが長期的に得策だという信念を磨いていった。
  10年代の不動産ブームを背景に、グレイ氏は個人向けでより低リスクの新しいファンドを構想した。それが17年に設定された「ブラックストーン・リアルエステート・インカム・トラスト(BREIT)」だ。
  BREITの成功は社内でのグレイ氏の発言力を一段と高め、やがて同氏は社長に昇進した。グレイ氏はさらに、企業向け貸し出しを行う「ブラックストーン・プライベート・クレジット・ファンド(BCRED)」の設定を主導した。
  他の幹部がレバレッジ後の資産に基づく手数料を提案した際、グレイ氏は反対。手数料はレバレッジをかける前の資産に基づくべきだと主張した。
  「コストは下げるべきだと確信していた」と同氏は述べた。手数料を高く設定すれば、運用担当者が過大なリスクを取るようになり、安定的なリターンを損なうと考えたためだ。

  グレイ氏はまた、リスク志向で知られたクレジット部門GSOキャピタル・パートナーズにも変革を迫った。ディストレスト(不良)債権投資は規模拡大が難しく、銀行や競合との関係維持にも悪影響を及ぼすと指摘した。
  結局、GSOはブラックストーン・クレジットとして再編され、創業者3人の頭文字を冠した名は外された。方向性は、より幅広い顧客層を対象に、健全企業への融資や安定収益重視へと転換された。
  これらはグレイ氏が掲げる「3つのI」、つまり機関投資家(Institutions)と保険会社(Insurers)、個人投資家(Individuals)を統合する戦略の象徴だ。

  グレイ氏は、個人投資家は機関投資家よりも損失に敏感であり、ひとたびマイナスが出れば離れると繰り返し強調した。
組織の巨大化
  最大の試練は22年後半に訪れた。
   金利上昇で不動産価格が急落し、BREITの個人投資家が一斉に償還を求めたのだ。アジア市場でマージンコール(追加証拠金請求、追い証)が連鎖し、解約要求が殺到した。BREITが出金制限を発動すると投資家は衝撃を受け、グレイ氏とシュワルツマン氏はメディアに出演して信頼回復を図った。
  それを見たカリフォルニア大学の最高投資責任者が、数十億ドル規模の資金を投入して支援に乗り出した。BREITは1年以上をかけて償還の滞留を解消。関係者によると、26年には再び純流入超過に転じる見通しだという。
  BREITの混乱を受け、ブラックストーンは初の個人向けPEファンド「BXPE」の立ち上げを延期し、出金制限も厳格化することにした。市場の急変を目の当たりにした経験が、グレイ氏の新ファンド設計方針に影響した。
  BXPEは、バイアウトからグロース投資、セカンダリー(既存ファンド持ち分の再取引)までを網羅する分散型プラットフォームとして設計された。リスク分散が優先された。

  グレイ氏はPE部門内の各チームに呼びかけ、「縦割りを超えてBXPEに貢献せよ」と指示した。「ジョン(グレイ氏)の最大の功績は、組織が巨大化しても全社をまとめ上げたことだ」とプライベートウェルス部門を率いるジョーン・ソロター氏は語る。
  それでも、同社の前にはまだ多くの試練が待ち受ける。
  10月の決算説明会でBCREDが配当を引き下げたことへの投資家反応を問われ、グレイ氏は強い口調で正当性を訴えた。BXPEは設立1年で150億ドルを集めたが、今後、好況・不況を問わず安定リターンを確保できるかが試金石となる。

2023年のブラックストーンホリデービデオでのグレイ氏
Source: Blackstone Inc.  米証券取引委員会(SEC)元幹部で現在バージニア大学法学部教授のエディ・フー氏は、ブラックストーンが「流動性を管理しながら365日24時間常に投資先を見つけ続けなければならないサイクルに陥っている」と指摘。理論的にはリターンが低下するやり方で、機関投資家が不満を持つのも無理はないと話した。
  実際、年金基金や大学基金などの大口顧客の不満は業界全体の脅威になりつつある。 機関投資家団体インスティチューショナル・リミテッド・パートナーズ・アソシエーション(ILPA)による調査では、大口投資家の約80%が、リテール(小口)資金を多く受け入れるPEファンドには投資しにくいと回答した。
  多数の高リスク戦略を展開するブラックストーンは、リターン追求を同社に要求する機関投資家顧客との信頼維持が不可欠だ。一方で、巨大化する投資のメガストアとしてのブラックストーンは、リスクを抑えながら多様な投資家に応える必要がある。
  グレイ氏は、リテール資金が急増しても、品質基準を落としてはならないと社内で繰り返し警告している。リターンが全てだという。
原題:
Jon Gray Remakes Blackstone Into Everybody’s Investing Megastore (1)(抜粋)

 
— 取材協力 Benjamin Stupples and Silla Brush

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[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース ブラックストーン、改革に挑む-PEの巨人から投資の「メガストア」へ

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