【コラム】私のラーメン遍歴、NYで出会い英国で再会－チュアイオン

ロンドンで気に入っているレストラン街の一つに、伝説的なラーメン職人の新しい店が間もなくオープンするというニュースを聞いて、私はニューヨークを懐かしく思い出した。
ニューヨーク出身ながら東京で8年以上にわたり2店舗を成功させ、ラーメンの技とビジネスを極めた人物だ。
今月19日、同じ名前の店がロンドンのファリンドンロードに開店する。
私の愛すべき2つの都市の味が一つになる。
　ラーメンは、すしに次いで日本が世界に誇る代表的な料理となった。
「いらっしゃいませ！」と大声で客を迎えるあの演出を今でも鮮明に覚えている。
　東京でオーキン氏は自家製の全粒粉麺を導入し、ラーメンは白い精製小麦粉で作るものだと主張する専門家たちを驚かせた。
　ピザでも、トッピングのパイナップルについての論争は絶えない。
もろ刃の剣　　ラーメンとピザの語源をたどると、どちらもレシピの柔軟性を示唆している。
　私は個人的に、福建省発祥の「滷麵」が語源に近いと考えている。
つまりラーメンとは、文化を超えて自在に変化する料理の象徴なのだ。
日清食品を創業した台湾生まれの安藤百福（出生名：呉百福）氏が1971年、「カップヌードルを生み出し、ラーメンをファストフード中のファストフードにしてしまった。」
お湯を沸かす方が、オーブンでピザを温めながら解凍するより簡単なのだ。
中国では1990年代後半から日本発のラーメンチェーン「味千」が爆発的に店舗を増やしたが、2011年に成分の伝え方を巡り批判が起き、香港証券取引所で株式が一時売買停止となった。
「モモフク」　　一方、一風堂は看板商品の豚骨スープの評価を保ちつつ、100店舗を超える海外展開を進め、時代に合わせたメニューを導入している。
　オーキン氏は今年、期間限定で出店したアイバンラーメン、ロンドン）PhotographbyHowardChua-Eoan/Bloomberg　　オーキン氏の名声も顧客を引き寄せる要因だ。
オーキン氏が姿を見せれば、客たちはサインを求めたり、見とれたりする。
同氏の業績に敬意を表し、米国の有名シェフ、デービッド・チャン氏は04年に自身初のレストランを「モモフク・ヌードルバー」と名付けた。
以前はブルームバーグ・オピニオンの国際エディターで、米誌タイムではニュースディレクターを務めていました。